親が「定年後に地方移住したい」と言っています。生活費は大して安くならないようで、どの費用が高くなるのでしょうか?
定年後に、地方への移住を考えている人は多いでしょう。しかし、地方への移住には都会より高くなる費用があることに注意が必要です。 本記事では、地方生活で都会よりも高額になるかもしれない費用や、地方生活の課題と目に見えにくい費用について解説します。地方移住に伴い高くなる費用を確認して、移住の判断やシミュレーションをする際の参考にしてください。
地方生活で都会よりも高額になるかもしれない費用
地方での生活において、国民健康保険料、水道料金、車の維持費などが都会に比べて高額になる可能性があります。地方に移住した後の費用をシミュレーションするためには、どのような費用が高くなる可能性があるのか、事前に把握しておくことは重要です。 本項では、地方生活で都会よりも高額になるかもしれない費用について紹介します。 ■国民健康保険料 国民健康保険料は、所得割、均等割、資産割、平等割という4つの基準に基づいて計算されますが、自治体によって税率などが異なるため、保険料に差異が生じます。 厚生労働省の「平成29年度市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」によれば、都道府県別で標準化保険料算定額が安い地域と高い地域は、図表1・2のとおりです。 【図表1】標準化保険料算定額が安い都道府県ベスト5
※厚生労働省「平成29年度 市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」より筆者作成 【図表2】標準化保険料算定額が高い都道府県ベスト5
※厚生労働省「平成29年度 市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」より筆者作成 国民健康保険料は、最も高い地域と最も安い地域では年間で数万円もの差があるため、移住を検討している地域の保険料をチェックしておくとよいでしょう。 ■水道料金 総務省統計局の「家計調査 家計収支編 2022年」によると、二人以上の世帯の上下水道料の全国平均は6万2487円でした。都道府県庁所在市および政令都市別で1世帯当たり年間の安い地域と高い地域のベスト5は、図表3・4のとおりです。 【図表3】水道料金が安い都道府県庁所在市および政令都市