FC大阪、J2自動昇格は射程圏内 J3リーグ後半へ得点力アップがカギ 現在3位
J3で2年目を迎えた関西2クラブをピックアップする。FC大阪は現在3位とJ2自動昇格(2位以内)が射程圏内。リーグ最多39選手をまとめる在籍9年目の主将、MF木匠(きつい)貴大(31)は、チーム好調の要因に環境面を挙げた。奈良クラブは14位と苦戦する。両クラブは2日に対戦(花園)し、0―0のドロー。ともに得点力アップが飛躍のカギとなる。 J2自動昇格圏の2位以上へ、FC大阪にあと必要なのは得点力だ。全38試合中、17試合を終えて失点10はリーグ最少と徹底したハイプレスが勝利につながっているが、攻撃面では、ここまで18得点と決定機をものにし切れていない。15日の鳥取戦(紀三井寺)は2―1の勝利。強みであるカウンターアタックから6試合ぶりの複数得点を挙げ、昇格への兆しが見えた。 G大阪、C大阪に次ぐ大阪3番目のJクラブ。JFL時代はサッカースクール、バッティングセンター、鉄工所などで働いてきた木匠は「サッカーに集中出来る環境ができた」と喜ぶ。かつては、練習するグラウンドは半面しか使えない日もあった。練習の前後に仕事があったため、筋トレや治療に割く時間も限られていた。木匠のみならず、選手たちは今、サッカーのこと、自分の体のことを一番に考えられる生活を得て、J2初昇格も視界にとらえた。 本拠グラウンドは東大阪市花園ラグビー場。「今はホームタウンができて、花園で試合の日は軽食も出る。周りからも応援されて、天然芝で練習もできる。筋トレも時間を気にせずできる」と充実した表情。「コンディションも上がって、自分の体、動いてるなって自信になった」と感謝しきりだ。 残り21試合。本当の勝負はリーグ後半だ。今季から就任した大嶽直人監督(55)は「最後に結果を出すには最少失点が大事。今は1―0勝利がベスト」と気を引き締めた。木匠は「得点(力不足)とか修正し、失点が少ないのは継続して全員で頑張っていけたら」。J2自動昇格へ一丸となって戦い続ける。(森脇 瑠香) ◆FC大阪 1996年、クラブ創設。大阪府リーグ、関西リーグを経て、15年からJFL参戦。20年にJリーグ百年構想クラブに承認され、21年J3クラブライセンス取得。22年に初のJ3昇格を決め、昨季J3で11位。ホームタウンは東大阪市。ホームスタジアムは花園ラグビー場第1グラウンドで、ラグビーリーグワン2部・花園(旧近鉄)と共用する。
報知新聞社