保育施設 柔軟に利用 こども誰でも通園制度 一関市が試行的事業 県南初、3施設で【岩手】
一関市は、親の就労有無に関係なく保育施設を一定時間利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」の本格実施に向け、市内3施設で試行的事業を始めた。時間単位で柔軟に利用できるのが特徴で、今月16日時点で15人が利用登録している。市児童保育課は「どれだけの需要があるのかを確認し、本格実施に向けて検討していきたい」としており、2025年3月末まで事業を実施した上で、利用状況や効果、課題などを検証することにしている。 同制度は、子どもの良質な成育環境を整備し、すべての子育て家庭に対する支援を強化するのが目的。未就園児を育てる親の孤立を防いだり、他の園児らとの触れ合いを通じて子どもの成長を促したりする狙いがある。国では25年度以降の本格実施に向けた検討を始めているが、これを前に県内では盛岡市が7月から試行的事業に取り組んでおり、一関市は2番目の実施となる。 市内で利用できるのは、一関あおば保育園(同市山目)と東山こども園(同市東山町)、はなほこども園(同市花泉町)の3施設。年齢区分に応じて受け入れる曜日や定員などが異なっており、利用希望日の5日前までに施設に直接申し込む。受け入れ時間は午前9時から正午まで。 利用対象は、市内に居住し、保育所、認定こども園、地域型保育事業所、幼稚園、企業主導型保育施設を利用していない生後6カ月~2歳の子ども。利用可能時間は1人当たり月10時間まで。1人1時間当たりの利用料金は300円だが、生活保護世帯は無料、市民税非課税世帯は60円、市民税所得割額の合計が7万7101円未満の世帯は90円、要支援、要保護家庭で市長が認める世帯は150円に軽減される。 利用希望者は、一関保健センター内の市児童保育課か、市役所各支所市民福祉課に申請書類を提出して利用登録する必要がある。市から登録承認通知書と10時間分の利用クーポンが交付される。