イラストエッセイスト・犬山紙子さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」7冊年の差50歳のシスターフッドが沁みる
人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?
◆『SAKAMOTO DAYS』鈴木祐斗/集英社 町の商店を営むふくよかな坂本太郎の正体は、悪党が恐れ、憧れた元・伝説の殺し屋!! バトルとコメディが交錯するネオアクション活劇。 「アニメ化が先日決定した少年漫画を3ヶ月前に一気読みしてハマりました。バトルシーンが背景、モブ、全てを効果的に使い、非常におもしろく、佐藤田悦子という中年女性のキャラクターが中年女性の見た目のまま強くてカッコ良い存在として描かれていることも大好きです」 ◆『宝石の国』市川春子/講談社 「ずっと追いかけていた作品が完結しました。仏教がベースに敷かれた宝石たちのお話の結末があまりにすばらしくて、読み終わった後1週間ひきずってしまい、なかなか現実に戻れませんでした。この感覚なんだろうと思ったら、『銀河鉄道の夜』を読んだ後の感覚(銀河鉄道はベースにキリスト教があるわけですが)」
犬山紙子さんの「マンガを読むときのマイルール」
「すぐ読みたいのでまず電子で買います。前日24時になるまで頑張って起きて24時になった瞬間読みます」
今、最も注目している新人作家とその作品は?
◆『番長! 神絵師コイツです! 』キヨヤス理解/プランタン出版 腕っ節のよさと男気で慕われる番長・伴長と、そんな彼を誰より愛する相棒の一色司。司は伴をモデルに密かに同人誌を作り、募る想いを慰めるが、本人の手に渡ってしまい……。波瀾万丈ギャグコメBL。 「コミカルなBLでギャグセンスと勢いが大好きです。親友の番長が好きすぎて同人で少女漫画描いちゃう主人公が愛しすぎます」
2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?
◆『大丈夫倶楽部』井上まい/トゥーヴァージンズ 日々“大丈夫になる活動”に励む花田もねは、生きることに不器用な会社員。ある晩、芦川という謎の生物と出合い、「大丈夫倶楽部」を結成することに。少し不思議なハートフルストーリー。 「動物というか謎の生物ですが、大丈夫じゃない時に大丈夫になるためのたくさんが詰まっていて、読んでいるといつの間にか大丈夫になる自分がいます」 イラストエッセイスト 犬山紙子(いぬやま・かみこ)さん 多くの雑誌で執筆のほか、メディアでも活躍中。ゲームやマンガなど、2次元コンテンツ好き。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)など。 発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024 眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。
大嶋律子(Giraffe)