異例の裸足シュートには苦笑いも…横浜FM20歳山根陸がプレミア名門に見た世界基準「あれがヨーロッパの距離感」
[8.3 国際親善試合 横浜FM 2-0 ニューカッスル 国立] 0-0で迎えた前半19分ごろ、横浜F・マリノスMF山根陸は思わぬ形で国立競技場の歓声を浴びていた。 【動画】「変な意味で沸かせちゃいました」異例の“裸足”シュート 「そんなところで目立ちたくなかったなと……(苦笑)」。発端となったのは右足スパイクが脱げるハプニング。山根は右手にスパイクを持ったまま、靴下姿でプレーを継続すると、精度の高いパスだけでなく鋭いミドルシュートも披露し、場内は大きくどよめいた。 試合後、報道陣の取材に応じた山根は「自作自演ですけど、トラップミスでその時に脱げちゃって、プレーが切れるまでちょっとやろうと思ったら全然切れなくて……」と苦笑い。まさかのシュート選択は「打ってプレーを切ろうと思ったけど相手に当たってしまった」というもの。「変な意味で沸かせちゃいました」と恐縮しきりだった。 もっともこのシーンはさておき、ピッチに立った前半45分間は大いに刺激を受ける機会となったようだ。 「個人的にはすごく楽しかった。45分を短く感じるほど楽しかった」 そう振り返った山根は「こういう世界の土俵で、日常的に戦いたいというのをすごく感じた」と世界挑戦へのモチベーションを高めた様子。相手の鋭いプレッシングを「ああいうのは感覚的に信じているものがある」というしなやかな身のこなしでかわす場面も見せ、世界基準の中で自らの強みを表現していた。 それでも相手との違いに目を向けると、焦燥感もにじませた。 「相手は僕らがあの距離感でやっていたらやりづらい距離感だと思うけど、彼らにとってはあの距離感の遠さが心地いいのかなというくらい。そのぶん守備のプレスも長くなるし、あれがヨーロッパの距離感なんだなと。プレースピードも、インテンシティも、心拍数も上げていたし、プレシーズンでもこんな感じかと……」 「そのインテンシティは日本じゃ感じられないけど、たぶん良いコンディションだともっと高いインテンシティ、スピード感を出してくると思う。だからこそ、もっともっとできないと。世界はもっと上にいるなと感じました」 しかしまずはこの基準をJリーグの舞台に落とし込み、地道な成長につなげていくしかない。 「今日やっていてすごく楽しかったし、こういうレベルの高い相手、個が揃っている相手とやって、世界はもっと上にいると感じた。自分ももっともっとできないといけないと思ったし、できると思った。今日は自分の良さを全部出し切れたかというと、イージーなミスもあって悔しかった。こういう相手にも自分の持っているものを全て出し切ることと、総合的なスピード感、強さ、個の力はもっと求め続けないといけないと思います」