40歳以上、BMI値18.5未満=病気の死亡率が3倍!痩せ体型のデメリットを専門家が解説
人の体型は食事や運動など、日々の生活で変化する。肥満気味だと、「さまざまな病気を発症するリスクがあるため、ダイエットしましょう」と言われがちだが、実は痩せ過ぎも危険らしい。
そこで今回は管理栄養士の豊永彩子さんに、痩せ体型の健康的なデメリットや対策について伺った。
そもそもどこからが“痩せ体型”になるの?
ーーそもそも痩せ体型とは、具体的にどんな人のことを指しているんですか? 一般的に、BMIが18.5未満の人は「痩せ体型(低体重)」に当てはまります(※日本肥満学会の基準)。 BMIとは身長と体重のバランスを表す数値で、算出方法は「体重(kg)÷身長の2乗(m)」。例えば、175cm、70kgの人は22.8ということになります。 BMI18.5以上~25未満が普通体重で、25を超えると「肥満体型」と判断されます。統計的に最も病気になりにくいのがBMI22といわれています。 ーー体型はBMIで決まるのですね。 いえ、実はBMIだけではなく、体脂肪も関係しています。40歳~59歳男性の標準体脂肪率は、18~22%で、23%以上の場合は肥満の範囲です。 BMIが18.5以下でも体脂肪率が23%以上の方は「隠れ肥満」の可能性があるため、痩せ体型とは少し違ってきます。 体脂肪率は、家庭用のデジタル体重計で測れる場合があります。持っている方はチェックしてみてください。身体の水分量などで変動するため、“毎朝起きてトイレのあとすぐ測定”、といったように、同じタイミングでの測定がおすすめです。
痩せ体型は病気による死亡率が高い
ーー40歳を過ぎて痩せ体型の場合、どんなデメリットがありますか? 痩せ体型は病気による死亡率が高く、平均寿命が短いといわれています。
ある研究で40歳以上の男性を平均7.5年追跡しBMIと死因を調査した結果、BMI18.5未満は病気による死亡率がいちばん高いことが分かりました。標準(BMI22)の死亡率と比べると3倍以上です。 ーーどんな病気による死亡率が高いですか? ガンや肺炎、虚血性心疾患による死亡率が高いようです。 ーーなぜ死亡率が高いのでしょうか? 痩せ体型の方は筋肉量・体脂肪が少なく、体の熱を生み出す力が低下しているため、基礎代謝や体温(平熱)が上がりにくいことが挙げられます。また体温が低いとウイルスに抵抗する力が弱まり、普通体型より身体の栄養素を消耗してしまいます。 結果、病気を発症してから治るまでに時間がかかるため、症状の悪化や他の症状の併発などのリスクが上がり、死亡率が高くなると予想できます。