環境省が有料化検討 過去に杉並区が議論した「レジ袋税」とは?
施行されることなく廃止された環境目的税
レジ袋税を施行する前に、杉並区はスーパーと協力してレジ袋「有料化」の実証実験も行っています。 レジ袋税とレジ袋有料化は、消費者にとって経済的な負担という面では変わりません。しかし、レジ袋税は行政が強制的に「税」という形で消費者に負担を求めるのに対し、レジ袋有料化は事業者が自主的に取り組むという点で異なっています。 有料化でもレジ袋の削減効果があることが確認されたこともあり、杉並区はいったん成立させたレジ袋税を2008(平成20)年に廃止。事業者の自発的な取り組みでレジ袋削減を目指すように方針転換したのです。その結果、杉並区はレジ袋税を施行しませんでした。 そして、杉並区はレジ袋税廃止と前後して、レジ袋有料化を推進する条例を新たに制定したのです。 「同条例は、レジ袋の有料化に取り組むことやレジ袋の使用量が年間20万枚以上の事業者に対して計画書の提出などを課しています」(同) こうした取り組みと並行して、杉並区はマイバッグ推進の啓発も続けています。 社会全体の環境意識の高まりもあって、杉並区内のレジ袋配布数は2007年が1億枚超でしたが、2009年は約8800万枚へと減少。その後、減少ペースは鈍化したものの、2016年も約8300万枚と削減トレンドは続いています。 環境省が打ち出したレジ袋有料化は、まだ詳細が決まっていませんが、日々の買い物の中で私たちも環境に対して考える機会になりそうです。 (小川裕夫=フリーランスライター)