海外で高まるBONSAI人気、EU輸出解禁で輸出量は4年で2倍に
全国各地で盆栽の盗難が頻発している。背景には、海外での「BONSAI」ブームがあるようだ。 【写真】福島市で盆栽盗の被害に遭った男性には、「身代金」要求の連絡も 日本盆栽協同組合によると、盆栽の盗難は昨年3月から今年1月までに約30件の被害が確認されており、その後も各地で相次いでいるという。被害は関東1都6県や熊本、三重、奈良、愛知など計12都県に及ぶ。 盆栽は高い物で1鉢で数百万円に上る。中には、昼間に客として下見をし、夜に価値の高い盆栽を盗み出したとみられるケースもあったという。 防犯カメラ映像などから、外国人らの関与が疑われる事例も目立つといい、被害品とみられる写真が、海外のSNSに掲載されていた例もあった。 同組合は対策として、不審者の侵入を検知するセンサーの導入を呼びかけるが、盆栽は屋外にあり限界があるという。 財務省の貿易統計では、2023年の盆栽の輸出額は9億1700万円で、19年の約2倍になった。富裕層の趣味として人気があるという中国がもっとも多く、イタリア、オランダと続く。 日本貿易振興機構(JETRO)によると、害虫の持ち込みを懸念していた欧州連合(EU)への「クロマツ」の輸出が、23年から本格的に始まったことも背景にあるという。 最近の円安傾向も追い風で、海外の愛好家から「BONSAI」として支持されている。国ごとに人気も異なり、中国では「サツキツツジ」が、ヨーロッパでは「マツ属」が人気だという。(小川聡仁)
朝日新聞社