早くも不安…。Jリーグ、スタートダッシュ失敗の大物新戦力(3)ほろ苦J1デビュー…。ベンチ外も珍しくない若者
明治安田J1リーグの2024シーズンが開幕して、およそ1カ月半が経過した。各チームが補強した選手たちの中には、期待に沿った活躍を見せる新戦力もいれば、活躍が期待されながらもなかなか輝けていない新戦力もいる。今回は、さまざまな理由で今季スタートダッシュに失敗してしまった新加入選手をピックアップして紹介する。※情報は4月17日時点。スタッツはJリーグ公式のものを参照。
DF:井上詩音(背番号4) 生年月日:2000年4月25日(23歳) 所属クラブ:名古屋グランパス 今季リーグ戦成績:2試合0ゴール0アシスト 名古屋グランパスのDNAを受け継ぐ若きセンターバックは、苦戦を強いられている。 ヴァンフォーレ甲府から名古屋に加入した井上詩音は愛知県出身。名古屋の下部組織で育った同選手は、昨季J2でリーグ戦30試合に、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で5試合に出場。プロ1年目ながら充実したシーズンを過ごした。 しかし、名古屋に移籍した今季は、満足のいく出場機会を得られていない。第1節・鹿島アントラーズ戦では先発出場を果たすも、チームは0-3の大敗。井上にとっては、ほろ苦いJ1デビューとなってしまった。 この試合の名古屋は、チームとして守備に問題があった。井上の前方でプレーしていた左ウィングバック山中亮輔は鹿島に狙い目にされており、ただでさえ役割の曖昧なチームディフェンスとなっていた中で、井上には山中の後方に空いた広大なスペースを1人でカバーすることが求められた。結果的に3度ネットを揺らされたことは問題であるが、J1デビュー戦の井上に全てこの責任を押し付けるのは酷だ。守勢に立たされても集中力を切らさず、最後まで球際で強さを見せていた。 しかし、その後は、DFハ・チャンレ(新加入)の活躍やDF河面旺成の復帰、DF吉田温紀の台頭などもあって定位置を失い、第2節のFC町田ゼルビア戦以降はベンチ外の試合が続いた。クラブはもちろん中長期的な補強戦略として井上を獲得したはずだが、スタートダッシュには失敗した格好となってしまった。 現在23歳と若く、その伸び代は十分。YBCルヴァンカップなど、与えられたチャンスで安定したパフォーマンスを見せて経験を積んでいきたい。
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