炎の輪をくぐり、雪中に身を投じ…超スパルタ!それでも中国人民解放軍に「大学生が憧れる」深いワケ
中国が軍事行動を活発化させている。 1月29日、台湾近海に複数の軍艦を常時展開していると読売新聞が報道。1月30日には、米宇宙軍が中国の衛星による活動監視が強まっていると警告……。 【画像】雪の中へ飛び込み、火の輪をくぐる…超スパルタな"アナログ"訓練「壮絶写真」 「軍事行動活発化のキッカケは、1月13日の台湾総統選で独立派の頼清徳(らいせいとく)氏が当選したことでしょう。中台関係の緊迫で、中国人民解放軍は高度なデジタル技術を駆使し『敵対国』の行動を把握しようとしています」(全国紙北京駐在記者) 一方で兵士たちの訓練は超アナログだ。人民解放軍が公開した掲載写真をご覧いただきたい。まだ少年の面影を残す兵士は何事か叫びながら燃え盛る火の輪をくぐり、上半身裸の男たちがマイナス28℃の酷寒にもかかわらず雪の中へ身を投じる。さらに入隊試験では全裸になって健康診断を受け、重石を持ち上げた状態で放水を浴びせかけられることも。中国人ジャーナリスト周来友(しゅうらいゆう)氏が語る。 「初代国家主席の毛沢東(もうたくとう)氏は、戦争についてこう言っています。『勝つために重要なのは兵器ではなく人間だ』と。武器に頼るのではなく、厳しい戦いを乗り越えるために兵士の精神力を鍛える必要があるという意味でしょう。現代は技術重視の傾向が強まっていますが、毛氏の思想は受け継がれているんです」 超スパルタに見える人民解放軍の実態。にもかかわらず、志願者が殺到し若者たちの憧れの対象となっているという。 「北京大や清華大など一流大学を出たエリートも、軍を志願しています。背景には、景気が後退し大学を出ても就職が厳しい事情がある。人民解放軍の給料は、民間企業に比べて、2倍近く高いケースもありますからね。スパルタな訓練を公開することで、『我々は臨戦態勢にある』というアピールにもなります」(周氏) 敵対国へは最新技術で圧力をかけ、国内はハードな訓練風景で気を引き締める。背景にあるのは当局の狡猾(こうかつ)な思惑だ。 『FRIDAY』2024年2月23日号より
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