ハズレ無しのドラえもん映画が、また大当たりを出してきた!『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)』!!
【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
ちょっと穿った視点から、話を始めますが「国民的アニメ」と、呼ばれる作品群の中で、ドラえもんののび太くん、しんちゃん、まるちゃんって「子供に怠惰を促す主人公」なんですよね。 「愛おしいけど、真似してほしくない行動を取る」とでもいうのでしょうか。 「のび太くんだって勉強しないで昼寝してるじゃん!」と、いう子供と戦った親が何人いることでしょうか。 結局、ポッケから出てきた道具で解決しちゃうし。 「主人公の成長」っていうのが作劇の根本なので、長く続けば続くほど、成長のバッファを稼ぐために、出来るだけダメなところからスタートさせるのは王道なのですが「子供に見せるもの」として、こういう側面があることも否定できない。 親子で一緒に見て、終わったあとに感想を交換することで完結するのが、正しい見方かと思っています。 今回の映画は、音楽が消えてしまいそうな世界で、音楽を取り戻すというストーリー。 キャラクターたちが、ドラえもんグッズの力を借りながらも一生懸命楽器の練習をして「音楽」という、世界になくてはならない文化を守る、すごく素敵なストーリーでした。 あいつら、映画のときだけ頑張る風潮あるよね。 これは、是非、真似してほしい。 特に、しずかちゃんとジャイアンは「バイオリンが致命的に下手」と「歌が破壊的に音痴」という「音楽ダメ属性」の持ち主キャラクターなのですが、音楽をテーマにした今作では、そこを上手いこと回避しつつ、アイデンティである属性も崩壊させない見事なバランス感覚で活躍していました。 で、ここから! 音楽がすごく良かった!! テーマが音楽の映画だから当たり前といえば当たり前なんだけど、マクロスから始まり、こないだのワンピースとか、最近の「音楽をテーマにしたアニメブーム」に「ドラえもんが殴り込んだ!」んですよ! 音楽監督は「王様のレストラン」や「半沢直樹」を筆頭に、日本も名作ドラマや映画を支えてきた服部隆之さん。 そりゃ、ワクワクしないはずがないのですが、さらに要所要所で入れられる「誰しもが“ドラえもんと言えば!”と、思えるメロディ」 「素敵な音楽」とか「上手いアレンジ」じゃなくて、「愛」を感じる構成。 全ての(いくつになっていたとしても)少年少女に観ていただきたい傑作でした!
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