ながの祇園祭を彩った屋台の「収納ギャラリー」完成
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8日に行われた長野市の夏祭り「ながの祇園祭」で市内を巡行した絢爛豪華な祭り屋台。その屋台を収納する、住民待望の「屋台ギャラリー」が、祭り前日の7日、同市内の小学校跡地に完成しました。戦後、一時中断していた祇園祭は2012年に毎年開催が復活し、市内の各地域を巡る屋台が呼び物になりましたが、屋台の管理や展示を充実させるために保管庫の設置を求める声が出ていました。
市民ら「これで管理が行き届く」
長野市内の西後町に完成した屋台ギャラリーは新田町、西後町などで構成する第4地区の設備。今春設置された県立大学の学生寮に隣接する場所に市民が利用するホールを市が設け、その一角を屋台ギャラリーとしました。 祇園祭を翌日に控えた7日の祝賀式では、ギャラリー内に西後町、問御所(といごしょ)、新田町の3基の屋台が並び、加藤久雄市長らがテープカット。集まった100人余の市民らが「これで管理が行き届く」などと話しながらカメラに収めていました。
祭り屋台は組み立て、解体して管理することもありますが、職人による組み立て作業と、祭りの後の解体の手間がかかり、その費用も大きな負担に。地元ではかねて市に屋台ギャラリーの設置を希望し、ホールの建設に合わせて実現しました。 収納した屋台のうち、新田町の屋台は94年ぶりの改修で真新しい姿でお披露目。「木曽ヒノキやケヤキを使った屋台は2000万円かかりました」と説明があり、屋台完成を祝う木やり歌の後、屋台の踊り初めを披露しました。 屋台の保管庫のこれまでの整備例では、市内東町に市が2015年に整備した「東司(とうす)・東町屋台蔵」があります。善光寺の参拝者でにぎわう場所に面した古い建物に最新の設計によるトイレを設け、その後ろ側に屋台の保管庫「東町屋台蔵」を置きました。「東司」は寺院のトイレを指します。
祇園祭当日は、祭り屋台が4基巡行し、中央通りなどを巡って善光寺に向かいました。ギャラリーが完成したばかりの西後町の屋台は、県立大の学生や住民が引き手を担当。お囃子に合わせた踊りや権堂町の獅子舞なども沿道の市民らを楽しませ、長野の夏到来を告げていました。
---------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説