【山口県】㈱トクヤマ 「構造色」の歯科用修復材 トクヤマデンタルが技術賞3冠
山口県周南市の総合化学メーカー、㈱トクヤマの子会社である㈱トクヤマデンタル(風間秀樹社長、本社・東京都)が、公益財団法人市村清新技術財団から第56回市村産業賞貢献賞を受賞した。同社が開発した、構造色による発色機構をもつ歯科用修復材料「オムニクロマ」の功績が高く評価された。 同財団は光学機器メーカーのリコー創業者である市村清が設立。市村産業賞は、優れた国産技術の開発を通じて、日本の科学技術の進歩や産業の発展に顕著な成果をあげ、産業分野の進展に大きな功績があった技術開発者に授与される。 同賞は権威ある国内の技術賞の一つ。オムニクロマは、2023年5月に日化協技術賞の特別賞、今年1月には日本化学会の化学技術賞にも選ばれ、今回の受賞で三冠を達成した。同社グループの市村産業賞の受賞は初。 オムニクロマは世界で初めて、構造色を歯科用修復材料のコンポジットレジンに応用した。構造色は光の波長の違いで見える色が変わる仕組み。オムニクロマを使用すると修復先の歯の色に同化するため、患者の歯の色に応じた複数の修復材料を用意する必要がない。 1本で様々な歯の色調に同化した修復が可能で、従来の顔料で着色する技術では困難だった症例への使用が可能になった。歯の修復治療での色選択の工程、在庫管理を簡素化できるメリットがある。