【Playback箱根駅伝】第93回/青学大が圧勝で3連覇&学生駅伝3冠を達成! 東洋大が2位も7分の大差
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第93回箱根駅伝総合成績をチェック
第93回(2017年/平成29年) 6区・秋山清仁が大会MVP 2区が再び最長区間に
青学大が前回大会まで2連覇を達成し、10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝も制覇。久保田和馬、神野大地、小椋裕介ら強力な世代が卒業したが、それでも圧倒的な優勝候補に挙げられていた。 93回大会は4区と5区の区間リニューアルが最大のトピックスだった。それぞれ2005年までの距離に近い20.9km、20.8kmとされ、山上りの5区を担う選手の負担軽減が図られた。 1区は東洋大の服部弾馬(4年)が区間トップに輝いたものの、その10秒以内に6位までが、1分以内に16位までが続く大混戦。全日本大学駅伝で2位に入って勢いのあった早大が3位、さらに1秒差で4位に優勝候補の青学大が続いた。 2区では東洋大、青学大、東海大、早大、神奈川大、駒大による6校が先頭集団を形成。18km付近で神奈川大の鈴木健吾(3年)が単独首位に立ち、チーム史上初めて往路戸塚中継所をトップで通過した。鈴木は1時間7分17秒で区間賞も獲得。38秒遅れて青学大が続き、さらに17秒差で駒大が追った。 3区では前年この区間で区間賞を獲得している青学大の秋山雄飛(4年)が猛追。13km過ぎで逆転すると、後続に1分22秒の大差をつけてトップ中継。秋山は2年連続で区間トップに輝いた。2位以下は大きく順位が変動し、早大が6位から2位に浮上。神奈川大が3位に沈み、2区で8位に順位を落とした東洋大が4位まで上げてきた。 青学大は5区の貞永隆佑(3年)が、一時2位の早大に2分近い差をつけていく。しかし、早大の安井雄一(3年)が終盤に驚異の追い上げを披露。その差を33秒まで縮めたが、その背中をとらえることはできず、青学大が3年連続の往路優勝を達成した。 5区の大塚祥平(4年)が区間賞を獲得した駒大は5位で往路を終えた。 6区では青学大の小野田勇次(2年)が区間2位と好走し、その差を2分08秒まで拡大。7区では青学大の田村和希(3年)が終盤に脱水症状を起こして失速したものの、早大の井戸浩貴(4年)もその差を1分21秒にまでしか縮めることができず、反撃がストップ。 青学大は8区の下田裕太(3年)が圧倒的な区間1位の快走で独走態勢を築くと、9区の池田生成(4年)が区間2位、10区の安藤悠哉(4年)が区間4位と安定感のあるタスキリレーで見事大会3連覇を飾った。出雲、全日本と合わせて史上4校目の学生駅伝3冠達成の瞬間でもあった。 後続は9区の野村峻哉(3年)が区間トップの快走を見せた東洋大が2位を死守。中盤で青学大に迫った早大が3位に入り、往路で健闘した順大と神奈川大が4位、5位に入った。神奈川大は12年ぶりのシード権獲得だった。 6区で秋山清仁(4年)が2年連続の区間新記録となる58分01秒をマークした日体大が7位。法大が8位で4年ぶりにシード校へ返り咲いた。また、オープン参加の関東学生連合で10区を務めた照井明人(東京国際大4年)が区間1位だった順大・作田直也(4年)のタイムを2秒上回り、“幻の区間賞”として話題を呼んだ。 大会最優秀選手に贈られる金栗四三杯は日体大の秋山が受賞。優勝校以外の大学から選ばれるのは2011年大会の東海大・村澤明伸以来6年ぶりだった。
月陸編集部