熊本市の井芹川で国の目標値超えるPFAS 市が産廃処分場を発生源の一つと確認 廃棄物の管理方法など法令違反なし
熊本市は6日、市内を流れる井芹川で国の暫定目標値を超える有機フッ素化合物(PFAS)が検出され、北区の産業廃棄物最終処分場が発生源の一つだと確認したと発表した。廃棄物の管理方法などに法令違反はなく、市は専門家による委員会を設けて対策を検討する。 市内では2023年に複数の井戸や河川で国の暫定目標値である1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)を超えるPFASが検出された。これを受けて市が井芹川の上流域を調べたところ、複数の地点で目標値を超すPFASを確認。特に高かった地点から300メートル上流にある産廃処分場を調べたところ、処分場の放流水から目標値の58倍に当たる2900ナノグラムを検出したため、原因の一つと特定した。 市はさらに市内の全ての産廃処分場を調査。この産廃処分場以外にも、いずれも北区にある5事業者6カ所の産廃処分場の放流水から最大で目標値の12倍強のPFASを検出した。いずれの処分場でも、法令で認められていない廃棄物の埋め立てなどの違反は確認されなかった。
熊本市の水道水の調査では、目標値を超えるPFASは検出されていない。大西一史市長は臨時記者会見を開き、市民に向けて「水道水は安全。健康被害や農作物への被害も確認されていない」と冷静な対応を呼びかけた。(山下雅文)