【今日は何の日?】『スーパーメトロイド』が発売された日(3月19日)。探索型アクションゲームの金字塔『メトロイド』の3作目で、シリーズの基礎が確立された傑作
3月19日は『スーパーメトロイド』(スーパーファミコン)が発売された日だ。 『スーパーメトロイド』は1986年、ファミコンディスクシステム向けに発売されたアクション&迷路ゲーム(探索型アクションゲーム)『メトロイド』の一作。1992年発売の『メトロイドII RETURN OF SAMUS』(ゲームボーイ)の続編で、『メトロイド3』の別名を持つ。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 前作『メトロイドII RETURN OF SAMUS』(以下、メトロイドII)で、主人公「サムス・アラン」(以下、サムス)は「惑星SR388」の地下に巣食う浮遊生命体「メトロイド」のせん滅に成功。だが、最後の一体「クイーンメトロイド」が残した卵がふ化し、幼生の「ベビーメトロイド」が誕生。刷り込みにより、サムスのことを親と慕うベビーメトロイドは、そのまま連れ帰ることになり、スペースコロニー内の宇宙科学アカデミーへと持ち込まれた。 そして、メトロイドの特殊な生体構造の研究が始まったのだが、そこに前々作『メトロイド』で倒したはずの宇宙海賊(スペースパイレーツ)の最高幹部「リドリー」が襲来。コロニーごと宇宙科学アカデミーを全滅させ、ベビーメトロイドを奪い去ってしまう。サムスはベビーメトロイドを取り戻し、彼らの野望を阻止するため、再び「惑星ゼーベス」へと降り立つ……というのが本作のオープニングストーリーとなる。 ゲームの内容は過去の『メトロイド』2作と同じ。迷路のように入り組んだ広大なマップを探索していくアクションゲームだ。隠されたアイテム(アビリティ)を手に入れることでサムスが強くなり、行動範囲が広がっていくパワーアップシステム、「モーフボール」に「スクリューアタック」といった人間離れしたアクションの数々も引き続き採用されている。 本編の構成は前々作の初代『メトロイド』を踏襲。舞台である惑星ゼーベスの地下に広がる様々なエリアを探索しながら、最深部を目指していく流れとなっている。 また、ハードがスーパーファミコンに移ったことで、グラフィックと音楽は大きく進化。演出面もオープニングデモを始め、より映画(洋画)らしさが増している。さらにコントローラのボタン数が増えたことで操作性も向上。「斜め撃ち」に「ダッシュ」といったアクションが新たに可能となった。 アビリティにも「スピードブースター」、「グラビティスーツ」などの新種を多数追加。初代『メトロイド』から定番の武器「ミサイル」にもより強力な「スーパーミサイル」が追加されたほか、広範囲を巻き込む「パワーボム」なる「ボム」の上位版も登場している。 また、特定のブロックなどに引っ掛けることで、ターザンのような長距離ジャンプが可能になる「グラップリングビーム」、隠された通路を透視して探し出す「Xレイスコープ」も新たに追加。これらアビリティと装備の充実化でマップの起伏、ボス戦なども著しくパワーアップし、前2作以上に攻略性の高いマップ探索が楽しめるようになっている。 さらに現在探索中のエリアの構造を随時確認できるマップ機能が新たに追加。画面右上にも現在いる場所をクローズアップして表示するミニマップが設けられ、状況が把握しやすくなっている。前作初登場となった「セーブステーション」も専用の部屋として設けられ、マップにもその場所を指すサインが示されるようになったことで、恩恵にあずかりやすくなった。 他にマップに関しては、アビリティ系アイテムが置かれた場所の近くは、必ずその使い方と特徴を学べる地形に設計するなど、ゲームプレイを通したチュートリアルを確立させる工夫が見られるようになっている。 これらの特徴の数々から、『メトロイド』のゲームデザインの基礎が確立されたと言っても過言ではない作品に仕上げられている。その完成されたゲームデザインは、本作の後に誕生した探索型アクションゲーム作品に絶大な影響を及ぼしていて、ある意味、このジャンルにおける教本に等しい存在となっている。 『メトロイド』シリーズとしても、本作をもって定番化した要素は多い。隠されたアイテム全てを発見し、回収率100%を目指すやり込み要素がそのひとつだ。 制作体制面でも、初代『メトロイド』の開発終盤に助っ人として参加した、任天堂の坂本賀勇氏がディレクターを担当した初の『メトロイド』作品でもある。坂本氏は本作以降、『メトロイド』シリーズの主要な開発スタッフとして活躍していくことになる。 ただし発売当時、本作は『メトロイド』の完結作になることが公式攻略本のインタビュー【※】で坂本氏から語られていた。事実、本作のエンディングは『メトロイド』の終わりを徹底して描いており、以降のシリーズ展開が見通しにくいものになっていた。 しかし、詳しい経緯は上記の記事を参照いただく形で割愛するが、本作の発売から9年後の2003年に発売された『メトロイド4』こと『メトロイド フュージョン』、『メトロイドプライム』の2作をもって『メトロイド』シリーズは本格的に再開。その後も数多くのシリーズ作が発売され、完結作との触れ込みは無くなるに至っている。 2024年現在、本作はNintendo Switch Online会員特典の無料タイトル『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』でプレイ可能。それのみならず、Nintendo Switch本体があれば、初代『メトロイド』から『メトロイド5』の別名を持つ『メトロイド ドレッド』までの2Dメトロイドシリーズ5作がすべて遊べてしまう。【※】 後の『メトロイド』シリーズはもちろん、他の探索型アクションゲームにも大きな影響を与えた本作『スーパーメトロイド』。発売から30年が経っても色褪せない、探索型アクションゲームの金字塔の底力を味わってみてはいかがだろうか。 メトロイド オモロイド。
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