有名人より一般人が主人公の番組が人気…?最新データ公開!バラエティ「画面にクギづけ度」ランキング
上位3番組とも主人公は”一般人”
7月1日から9月30日にかけて民放キー局で放送された、バラエティのレギュラー番組は120本ほどある。その中で本当に視聴者が注目した番組とは? 視聴率とは違う独自視点でランキングした――。 【データ公開!】バラエティ番組「クギづけ度」ランキング15位~はコチラ テレビの前の人々がどれだけ画面を見ているかの「クギづけ度」(注視率)で、バラエティ番組を調査したのは視聴データ分析会社『REVISIO』(以下、R社)だ。R社が冒頭で紹介した約120番組を調べた結果をもとに、上位30作品をランキングしたのが次のページからの表である。個々の番組を解説する前に、測定方法を説明したい。R社の広報/マーケティング担当・安武早織氏が語る。 「クギづけ度は、視聴者の視線がどれだけテレビ画面を見ているかで測ります。他の作業をしながらの『ながら見』では画面が見られていないことが多いので、視聴率は高くてもクギづけ度は上がりません。一般家庭のテレビにセンサーを設置し、登録した視聴者の骨格が画面を向いているかを測定。例えばテレビの前にいる100人のうち70人が画面を見ていれば、クギづけ度は70%になります。(表に掲載した)視聴率も、弊社が独自に調査しました。現在、2600世帯(約6300人)ほどに協力いただいています」 ランキングを見てみよう。 1位:『世界!ニッポン行きたい人応援団』 2位:『開運!なんでも鑑定団』 3位:『家、ついて行ってイイですか?』 トップ3は、いずれもテレビ東京系の番組だ。芸能リポーターの菊池真由子氏が背景を分析する。 「テレビ東京は他の局に比べ、予算が限られています。そのため有名タレントの起用は少なく、上位3番組とも主人公は一般人です。自然とドキュメンタリー的な内容になり、視聴者は展開が読めずテレビにクギづけになるのでしょう。一方で、ランキングを見ると大物芸能人の冠番組が意外と少ないのがわかります。芸能人がメインの番組はシナリオ通りに構成され展開が読みやすい分、注視する必要がない。視聴率は良くても、クギづけ度は高くないのかもしれません」 ◆男女で″海外モノ″に違い トップ30の顔ぶれを見ると、1位の『ニッポン行きたい~』をはじめ、4位の『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)など海外や外国旅行を扱った番組が目につく。前出の安武氏が語る。 「コロナ禍が明け海外ロケができるようになり、番組内容が充実し始めたのが大きい。視聴者も、ようやく興味の対象を外国へ向け始めたのでしょう」 だが、″海外モノ″に対する男女の注目の仕方は大きく違うようだ。 「1位の『ニッポン行きたい~』は、男性注目度は2位ですが女性は9位です。日本に興味を抱く外国人に理由を聞き、来日をサポートするという内容。日本の意外な魅力を発見するのがテーマです。思いがけないインバウンド需要の発掘という、ビジネス的な視点で男性の関心をひいているのかもしれません」(安武氏) 4位の『イッテQ』は女性注目度1位に対し、男性は18位と高くない。 「『デヴィ女子会』が行われるなど、女性ウケの良い内容が充実しています。日本の魅力を伝えるのではなく、主眼は外国の面白さ。女性芸人が秘境で過酷なロケに挑むことも多く、彼女たちの挑戦とたどり着いた絶景に同性がクギづけになるのではないでしょうか」(同前) その他の上位番組でも、男女の嗜好の違いが如実に出ている。R社のカスタマーサクセス担当・青柳汰一氏が語る。 「2位の『なんでも鑑定団』は、男性注目度1位ですが10代から20代の若年層はあまり見ておらず比較的高齢の方のクギづけ度が高い。男性はコレクター気質の人が多いといわれます。長年同じ家に住む高齢男性が、自分の収集品の中にも『お宝』があると想像しながら熱心に見ているのでしょう。 7位の『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系)は、女性注目度3位。目黒蓮さんなどのイケメンが女性人気を牽引(けんいん)しているのは明らかです。以前は女性からの支持が高かった”動物モノ”ですが、ランクインしたのは16位『嗚呼!!みんなの動物園』(日テレ系)と28位『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)くらい。今はSNSで、かわいい犬や猫の動画がすぐに見られます。完全にお株を奪われてしまった印象です」 男性か女性か、ターゲットによりクギづけ要素もまったく違うのだ。 『FRIDAY』2024年11月1・8日合併号より
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