井上拓真が堤聖也に敗れ王座陥落「気持ちで相手が上回ってきた」 中谷潤人との統一戦霧散し去就は明言避ける
◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ●王者・井上拓真(判定)同級2位・堤聖也○(13日、東京・有明アリーナ) 【写真】ビッグイベント彩るラウンドガール WBA世界バンタム級王者の井上拓真は、同級2位の堤聖也(角海老宝石)に0-3の判定で3度目の防衛はならなかった。12年前の8月3日、高校総体準決勝で判定勝ちした相手との4454日ぶりの再戦。1995年12月26日生まれの拓真は、同年12月24日生まれの堤に対し「技術うんぬんよりも気持ちで相手が上回ってきたので」と気迫の差を敗因に挙げた。 「日本(王者)と世界(王者)の差を見せつけたい。圧倒的に勝つ」と宣言していた。しかし、同学年対決でリベンジを許し、これまで、日本人との対戦は7戦全勝だったが、8戦目で初めて黒星を喫した。 最強の兄の協力に応えることはできなかった。世界4団体スーパーバンタム級統一王者の尚弥(大橋)が仮想・堤としてスパーリングパートナーを務めた。高校時代の雪辱を狙った相手は右、左と構えを変えるスイッチヒッター。何度もスパーリング経験のあるモンスターが「クセも分かっている。スイッチもやります」と完全コピーで練習台となった。寸止めのマス・スパーリングを含めて10ラウンド以上のスパーリングを行い、拓真は「手応えはバッチリです」と攻略に自信を見せていた。 兄はこの日もセコンドに付いたが思いに応えられず。まさかの王座陥落に熱望してきたWBC王者・中谷潤人(M・T)との統一戦も夢と消えた。去就について「今はゆっくり休みたい」と明言を避けた。
報知新聞社