廃止…生きた心地しない さいたま、高齢者施設の入居者 「やむを得ない」と議会は賛成多数 転居費用支援も
28日には本会議採決が控える。内藤さんは14日の委員会審議で12人中8人の委員が発言して、施設を廃止しようという意見がなかったことを挙げ、「会派に縛られず、個人の判断で反対してほしいと強く願う」と力を込めた。 25日にはJR浦和駅東口で廃止方針の撤回を求める署名活動を行う予定。署名は20日時点で1万54筆(オンライン5732、自筆4322)と大台を突破した。認知症の妻(71)がきんもくせいに通う内藤さん。「(施設が)なくなったら困る人がたくさんいる。最後まで諦めない」と力を振り絞るように語った。 ぎんもくせいに入居する80代女性は取材に、「こういう結果は苦しい。生きた心地がしない」と思いを明かした。 女性は金銭的な面に加え、施設職員の気配りが行き届いていて、快適に暮らしていた。ところが今年2月に突然、廃止方針を知る。以降は「何をしていても廃止というのが頭にあって、毎日が楽しくない」という。市は今後、入所者の意向に沿って転所へのサポートなどを行う方針だが「ここよりいい施設はないですよ」と首を横に振った。
女性は「施設に存続してほしいという思いが一番。もしどうしても駄目なら、せめて廃止する時期を3年なり5年なり、延ばしてほしい」と切に願う。