会見で謝罪する助野専務（中央）と藤井敏明運輸部担当部長兼営業課長（右）、谷野公春総務企画部人事課長＝富山市のあいの風とやま鉄道

　　●発覚1カ月後に公表 　あいの風とやま鉄道小杉駅の金庫から運賃収入など現金421万5千円を着服したとして、あいの風とやま鉄道（富山市）は1日、20代男性駅員を懲戒解雇したと発表した。処分は6月24日付。着服を認め、全額返済していることから刑事告訴しないという。発覚から公表まで1カ月余りかかったことについて、同社は「再発防止策を固めていた」と説明した。 　駅員は6月17日、小杉駅を管理する高岡駅長に「会社の金に手を付けた」と申し出た。調査で6月分の運賃収入などに421万5千円の不足が判明。同20日に全額返金した。「遊興費に使った」と話しているという。 　小杉駅の金庫には、鍵のある現金袋に入った運賃収入と、両替用の現金が保管されている。駅員は業務で金庫の鍵や現金袋の鍵を扱う立場にあり、1人で勤務していた際に複数回に分けて金庫から現金を抜き出した。 　富山市のあいの風とやま鉄道本社で助野吉昭専務兼総務企画部長らが会見し、金庫の鍵の使用履歴を把握するなど再発防止策を説明した。 　伍嶋二美男社長は「県民や利用者の信頼を著しく損なう事態になったことをおわびする。全社員にコンプライアンス教育を実施し、再発防止策の徹底に努める」とコメントを出した。