【解説】廃車提供で被災地支援 能登半島地震で車の要望が相次ぐ~日本カーシェアリング協会の取り組みとは~
能登半島地震では、2月19日時点で、241人が亡くなり、約7万棟の住宅が被害にあったということですが、車の被害について正確な報告はまだありません。被災した人たちの生活に欠かせない車を無償で貸し出している団体があります。その取り組みについて取材しました。 ▶動画はこちら(クリック) 能登半島地震の被災地に車を ~兵庫からできる支援~
地方での生活に車は欠かせない
津波の被害が大きかった石川県珠洲市。これまでに103人(2月19日時点)が犠牲になり、約1万4000棟の家屋が被害にあいました。地震で壊れたり津波で使えなくなったりした車が至る所で見られました。 リポート(サンテレビ 藤岡勇貴) 「珠洲市鵜飼地区では、津波が川を遡ったことが分かります。あちら側は船が陸に乗り上がっていますね。反対側を見ますと、車数台が流されています。ここから私が見える限りでも車数十台が流されているのが分かります」 地震や火災の被害が大きかった輪島市。これまでに102人(2月19日時点)が犠牲になり、約1万棟の家屋が被害にあいました。 吉村誠司さん 「ここは1人、大阪の警察レスキューと一緒に1人救出したが間に合わなかった」 災害救援NGO ヒューマンシールド神戸代表の吉村誠司さん(58)。主に輪島市を拠点にボランティアとして活動し、重機を活用して生き埋めになった3人を救出。道路上のがれきを撤去して車が通れるようにしたり、倒壊した建物から車や家財道具を取り出したりしています。 吉村誠司さん 「あの車もうちらがレスキューした。ここからも車をね。出しました」 能登半島地震で車が何台被害にあったかはまだ正確な報告はありません。
車を使いたい!ニーズは東日本大震災に次ぐ規模
生活していくために欠かせない車を被災者に無料で貸し出す支援を行う団体があります。 吉澤武彦さん 「予約の申し込みが800件(2月19日現在は900件以上)を超えました。これがまだ増えていっている。かなりのニーズがある状況ですね」 宮城県石巻市に本部を置き、全国の被災者に車の貸し出しを行っている一般社団法人 日本カーシェアリング協会。兵庫県姫路市出身の吉澤武彦代表理事は、阪神淡路大震災でボランティアとして尽力した神戸元気村の元代表 山田和尚さん(2015年に63歳で死去)の助言で東日本大震災の後、団体を立ち上げました。 吉澤武彦さん 「僕らの支援で言うと、東日本大震災に次ぐニーズと言いますか、被害規模と思っています」 能登半島地震では、今後の生活のために車を長期で利用したい要望と、片付けのための軽トラックなど貨物車両の要望が多いということです。避難所や二次避難をした集落ごとに、車をシェアしても追いついていない状況です。 吉澤武彦さん 「準備ができた車から送り込んでいる状況で、200台くらいはめどがついてどんどん送り込んでいるのですが、それでは足りないのでまだ追加で100台くらいは集めて送り込みたいなと思っている状況です」