【悠木碧×平川大輔】今注目の家族再生物語『妻、小学生になる。』キャストが感じた作品の真髄とは?見どころを訊きました
妻+小学生、同時に演じることへの難しさはあった?
悠木:私自身がエンパスな(共感性が高い)こともあって、貴恵の役に入り込みすぎてしまう時がありました。本来の貴恵はもっと陽キャでカラッとした人なのに、私の演技がややウェットになりがちで、それを「カラッと戻して」と言われることが一番多かったですね。でも、そう演じてみると貴恵のキャラクターをより理解できて、より好きになったなって思います。 ――貴恵と万理華、同一人物を演じ分ける上で苦労した点はありましたか? 悠木:実際に見ていただけると実感できると思うのですが、実のところ、貴恵がそれほど自分を隠さずに万理華として振る舞っているので、あまり苦労はしませんでしたね。貴恵のコミュ力の高さに助けられている感じです。 ただ、後半になると、どちらの人格なのか曖昧になっていく場面があり、そこが難しかったです。 ――悠木さんの脳内に「貴恵度合い」みたいなパラメーターがあった感じですよね。 例えば、本当の万理華が起きた時のモノローグや、万理華の母親との対話がどちらの人格なのかを表現するのは難しかったですね。どちらの演じ方が視聴者の心に刺さるのか、常に考えながら演じていました。 ――本作は物語を展開するにあたり「弁当」という存在が非常に大きな意味を持っています。お二人は「印象に残っている弁当」の思い出はありますか? 悠木:母が作ってくれた冷凍ピラフの弁当が印象的です。夏場に冷凍のものを入れておくと昼頃には溶けているはずなのに、ある日溶けていなくて食べられなかったことがあったんです。他のおかずだけ食べて、友達の弁当をもらってごまかしました。帰りに弁当箱を開けたら……忘れられない思い出です。 平川:アルバイト時代に自分で作っていた弁当が印象的です。お金がなかったので、激安のスーパーで買った1キロ単位の鶏肉と大袋に入った玉ねぎを炒めただけのものをご飯と一緒に毎日持っていっていました。美味しかったのですが、毎日同じだったので最も記憶に残っています。 ――想像していたものとはやや異なるベクトルでしたが…。思い出をありがとうございます。 ――本作の見どころについて、初見の方、原作ファン、ドラマ視聴者それぞれに向けてコメントをお願いします。 悠木:この妻小(妻、小学生になる)は、すでに様々なメディアミックスがされているんですが、その中でも最も入りやすい入口になっていると思います。原作の良さをしっかり盛り込んでいるので、妻小初見の方にも必ず楽しんでいただけます。アニメを見てから原作を読むと、より深く楽しめると思いますし、さらにドラマを見ることで臨場感も深まると思います!ぜひ様々な形で本作を楽しんでもらえれば幸いです! 平川:原作をすでに読んでいる方は、ワンクールという時間の関係上、ストーリーが圧縮されている部分がありますが、「こことここつなげたんだすげーっ!」って思うような、シリーズ構成の妙を感じていただけると思います。原作の魅力を失うことなく、また違った魅力を発見できるのではないでしょうか。 ――最後にファンに向けてズバリ一言お願いします。 悠木:絶対に名作になっています。ぜひ見てください! 平川:笑って泣ける作品ですので、一人でも多くの方にご覧いただきたいと思います。 ■『妻、小学生になる。』作品情報 原作:村田椰融(掲載「週刊漫画TIMES」芳文社刊) 監督:阿部記之 シリーズ構成・脚本:平林佐和子 キャラクターデザイン:関川成人 音響監督:三好慶一郎 音楽:山崎寛子 アニメーション制作:スタジオ サインポスト 新島圭介/平川大輔 新島貴恵・白石万理華/悠木碧 新島麻衣/野村麻衣子 文・写真:吉岡/編集統括 ©️村田 椰融/芳文社・妻小プロジェクト
市井