巨人V奪回のキーマンとなれるか 輝きを取り戻した"安打製造機" 脅威の「.352」
4季ぶりのV奪回を目指す巨人でベテランが気を吐いている。 4月下旬からリードオフマンを務める丸佳浩は、4月に35歳を迎えた今季、ここまで打率「.308」と堂々のリーグ2位。6月に入ってからはさらに調子を上げ、月間打率は「.352」と好調をキープしている。 【動画】まさに一閃!丸が広島守護神、栗林から放ったサヨナラアーチをチェック 強く存在感を示したのは6月28日に行われた広島戦(東京ドーム)にもあった。 2-2で迎えた延長10回一死の場面、カウント2ボールから相手守護神、栗林良吏の外角低めカットボールを一閃。右翼席中段へと叩き込んだ。 自身にとっても23年5月4日のヤクルト戦以来となる劇弾で試合を決着させた。この試合は5打数4安打とまさに手がつけられない状態となっている。 ドン底から這い上がった。昨季で広島からFA移籍後の5年契約が終了。契約最終年となった昨季は打率「.244」、18本塁打、47打点といずれも巨人加入後ワーストの成績に終わった。規定打席にも届かず、年間通して安定したパファーマンスが果たせなかったこともV逸の一因とされた。 迎えたプロ17年目の今季、体制が代わり、阿部慎之助新監督からは外野レギュラー白紙を打ち出されながらも「丸の力はこんなものじゃない」と、ことあるごとに背中を押された。 転機となったのは4月28日のDeNA戦から任された1番打者の役割にもあった。 ここまでリーグ最高出塁率の「.392」をマーク。元から選球眼の良さでも知られるが、持ち味のゆったりしたヒッチ打法に戻したことで、球を呼び込み、球種に逆らわない打撃で着々と結果を積み上げている。 広島時代はリーグ3連覇の立役者の一人、18年オフに巨人に移籍後もリーグ連覇を果たし、「優勝請負人」の役目をしっかり果たした。ただ、いずれも日本シリーズでソフトバンクに敗れているとあって、日本一達成時に行われる「銀座パレード」を目標に掲げるのが近年の恒例ともなっている。 チームは現在、坂本勇人が不振で二軍調整中と、ベテランにかかる期待は一層大きくなっている。 輝きを取り戻した好打者の今後の快進撃も期待したいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]