親友にして盟友・星野仙一氏との絆…田淵幸一氏が明かした2人だけの関係 ライオンズへの衝撃トレード…そのとき後輩・掛布雅之氏にかけた言葉
盟友・星野仙一氏との絆
盟友にして親友である星野氏の田淵氏との通算対戦成績は打率3割0分1厘、9本塁打、16三振。 徳光: ホームラン9本もそうですが、打率がすごいですね。 田淵: 最初に打ったホームランは、甲子園中段の出入り口にポコーンと入ったんですよ。後で星野に、「よう飛んだな」って言ったら、「馬鹿野郎、お前が振ったところに俺は投げたんだ」って。 そういうやつなんです。絶対負けたっていう言葉は出ない。 2002~2003年の2年間、星野氏は監督として阪神を指揮し、2003年にはリーグ優勝を果たす。このとき田淵氏はチーフ打撃コーチとして星野氏を支えた。 徳光: プレイヤーとしてもそうでしたけど、お互いに首脳陣として選手を育てたっていう意味でも、まさに戦友になるわけですかね。 田淵: ほんと、彼と会ってる時間が長かったし…。 星野が中日の監督をやめたとき、「ブチ、縞のユニホーム着るぞ」って言われたんです。「えっ、タイガース?」。「そうよ」。「分かった。行こう」って二つ返事。「給料、契約金がいくら」とか何にも聞かずに、もう全て星野に任せた。一度、一緒にユニホーム着てやりたかったから。 やっぱり星野もね、試合が終わった後って孤独じゃないですか。俺はいつも部屋へ行って一緒に弁当食いながらね…。その時だけは同級生になるんですよ。 ただ、彼がタイガースのユニホームを着て私がコーチやったとき、私にとって彼は「仙ちゃん」から「監督」になったんですよ。それ以来、死ぬまで「監督」。「仙ちゃん」って呼んだのは死に顔を見たとき。言葉っていうのは大事だから。 徳光: 星野さんは、田淵さんがそういう気持ちで「監督」って呼んでることをご存じだったわけでしょ。 田淵:知ってる。1つ言ったら10分かるんですよ。 (BSフジ「プロ野球レジェン堂」 24/6/11より)
プロ野球レジェン堂
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