「後期のデザインが好みなんです」これまで所有した4台のコスモスポーツはすべてホワイトの後期型
同じクルマを2台所有する……。一般的には理解しがたいが熱心な旧車ファンにしてみればうらやましい限りだ。持論を貫き2台のコスモスポーツを所有するオーナーに迫る。 【画像23枚】左右のシート後方肩口に設置されている純正オプションで設定されていたクーラーなどのディテール。後期はインテークの拡大やホイールベースの延長などが特徴ではあるが、このほかカラードのフェンダーミラーと横長のウインカーを装備していたのも多くの車両の外観上の違いとなっている(一部メッキミラーや丸ウインカーがある) 【2台のマツダ コスモスポーツと暮らす】 コスモスポーツは、誕生から50年経過する現在も高い人気を誇り、当時の技術力の高さが再評価されている。そしてマツダ社内では若い技術者を中心に社内レストア車両を完成させるなど、技術伝承にも取り組んでいる。 オーナーがコスモスポーツに目覚めたのは、学生の頃。走り去るテールランプにひと目ぼれし、「いつかはあのクルマに乗る」と決意した。そして20年ほど前、やっとの思いで購入。 しかし格安だったためボディはサビがありエンジンも不調で、フルレストアしたものの結局満足することができず手放すことに。そんな苦い経験を生かし、その後はオーナーズクラブのメンバーから譲ってもらうことにした。現在の愛車(71年式)は自身3台目のコスモスポーツで、4年ほど前に入手。そして約1年後には、すでに1台所有しているにもかかわらず4台目(72年式)を購入。 「クルマは一台一台違う。だからいろいろなコスモスポーツに乗ってみたい」という持論を持つオーナーは、代替えではなく複数台所有することを選択したのだ。 ちなみにオーナーがこれまで乗ったコスモスポーツは、すべてホワイトの後期型。これに関しては、「前期よりも後期のデザインが好みなんです。ボディカラーはホワイト以外考えられないですね」と話す。2台のコスモスポーツに囲まれて、これからも楽しいカーライフを送っていくことだろう。 1972年式 マツダ コスモスポーツ 全長4130mm 全幅1590mm 全高1165mm ホイールベース2350mm トレッド前/後1260/1250mm 最低地上高125mm 車両重量960kg 乗車定員2名 最高速度200km/h 登坂能力tanφ0.553 最小回転半径5.2m エンジン型式10A型 エンジン種類水冷2ローター・ロータリー 総排気量491cc×2 圧縮比9.4:1 最高出力128ps/7000rpm 最大トルク14.2kg-m/5000rpm 変速比1速3.379/2速2.077/3速1.390/4速1.000/5速0.841/後退3.389 最終減速比4.111 燃料タンク容量57L ステアリング形式ラック&ピニオン サスペンション前/後独立懸架筒型複動オイルダンパー・コイルバネ/筒型複動オイルダンパー半楕円形板バネ ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング タイヤ前後とも155HR15ラジアル 発売当時価格158万円 初出:ノスタルジックヒーロー 2018年 12月号 Vol.190 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部