選手泣かせのマウンドと天然芝…中日が12番目だった“エスコンデビュー” 結果に表れた普段と違う難しさ
◇渋谷真コラム「龍の背に乗って」◇13日 日本ハム9―4中日(エスコンフィールド北海道) ◆郡司裕也と岡林勇希、田中幹也、飲食店での3ショット【写真】 次カードの巨人はすでにオープン戦で経験しており、エスコンフィールド北海道で戦うのは中日が12番目だった。両翼フェンスの向こうにブルペンがあり、左右非対称。メジャー式のボールパークだ。 今回の遠征前、投手陣にはこんな情報が回っていた。「エスコンはブルペンとマウンドの傾斜が少し違うらしい」。3試合の先発投手で、唯一1回を無難に立ち上がった高橋宏に確かめた。 「それは聞いていましたが、それ以前に僕のブルペンがひどすぎました。もう、めちゃくちゃ。だから、逆にマウンドに行けば良くなると言い聞かせて…。実際に試合では良かったです」 さすがは鈍感力にたけた高橋宏。ただ、救援も含めてこの3連戦は珍しく打たれる投手が多かったのは、微妙な傾斜の違いに対応できなかったからなのかもしれない。 シーソーゲームは6回まで。試合が一気に壊れた7、8回の4失点はいずれも高橋周、山本の失策(ゴロの捕球ミス)が発端となっている。内野も寒冷地に強い天然芝。チームより一足先に、その難しさを知っていた人がいる。 「しかも、芝目が長くて、土は硬い。本来はゴロは前に出るのがセオリーですが、がむしゃらにはいかずに待っていい。そんな難しいグラウンドなんです」 昨秋のキャンプで臨時コーチを務めたのが荒木雅博さんだ。昨季の日本ハムは12球団ワーストの94失策。新庄監督から直々に堅守の立て直しを依頼された。チームもすぐに呼応し、オフに一、二塁間と二、三塁間の芝生を約1メートル削った。土の面積を増やせば、土でのバウンドも増える。少しでも守りやすい環境への改善だった。しかし、不運にも高橋周が捕り損ねた打球は、最も判断に迷う切れ目近くで弾んだ。 「詰まった打球。天然芝。左打者。どう転がるかわからなかった」と高橋周は話し、堂上内野守備走塁コーチも「あれは本当に難しい。エラーにするのがかわいそうなほど」とかばった。 マウンドと天然芝。普段と違うという難しさ。対応するのもプロの仕事なのだろう。しかし、ミスを見逃してくれない強さが日本ハムにはある。
中日スポーツ