世界の国債上昇、米利下げ期待で需要-楽観続くかは米雇用データ次第
(ブルームバーグ): 世界の国債は4日、前日の米国債に連れて値上がりした。米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測が債券の魅力を高めた。
米国の5月の製造業活動の縮小ペースが加速したデータを受けて、オーストラリアとニュージーランドの10年債利回りは少なくとも8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。日本の10年国債利回りは、4日の2兆6000億円規模の入札を控えて2bp低下。
ISM製造業指数、縮小ペースが加速-新規受注や生産が悪化 ¥
債券への新たな楽観は今後数日に試されることになる。米国の雇用データが相次いで発表され労働市場が金融緩和を正当化するほど冷え込んでいるかどうかが明らかになる。トレーダーらの以前の利下げ期待は、インフレ率が2%の目標に向かって持続的に低下している一段の証拠が必要だとしたパウエルFRB議長の発言で打ち消された。
カナダ中銀と欧州中央銀行(ECB)の金利決定もトレーダーの注目の的だ。
RBCキャピタル・マーケッツのマクロ金利ストラテジスト、ロバート・トンプソン氏(シドニー在勤)は「利下げが近づくにつれ、投資家は国債の買い増しに前向きなようだ」と述べた。「FRBだけでなく、今週はもちろんカナダ銀行(中銀)とECBが注目される」と付け加えた。
10年物米国債利回りは3日に11bp低下した後、4日には2bp上昇し4.41%で取引されている。4日に発表される米求人件数がエコノミスト予想を下回れば、債券需要が再燃する可能性がある。
原題:Rate-Cut Hopes Are Galvanizing Demand for Bonds Everywhere(抜粋)
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Ruth Carson, Matthew Burgess