「唯一無二の宝物」 秀吉生誕地の寺で金のひょうたん飾り盗まれる
豊臣秀吉(1537~98)の生誕地に建てられた常泉寺(名古屋市中村区)で、秀吉の馬印「千成瓢簞(せんなりびょうたん)」をモチーフにした金色の飾り物(幅、高さ約35センチ)が盗まれていたことが、寺への取材でわかった。 【写真】金色のひょうたんの飾り物が設置されていた石碑と常泉寺の矢島昭輝副住職=2024年11月14日午後1時49分、名古屋市中村区中村町木下屋敷、松本敏博撮影 寺は、秀吉の命を受けた加藤清正が秀吉死後の1600年ごろに創建したと伝えられている。1983年に放火で本堂などが焼失。飾り物は88年に再建を記念する石碑の上に関係者の寄進で作られたという。 矢島昭輝・副住職(32)が11日正午ごろ、境内を清掃していたところ、飾り物が根元から折られ、なくなっていることに気づいた。境内は24時間誰でも入れるという。愛知県警中村署に被害届を出し、同署が窃盗事件とみて捜査している。 ■副住職悲痛、愛知県警が情報提供求める 寺は秀吉をまつる豊国神社と近接し、JR名古屋駅から西に約2キロで、周辺には「太閤通(たいこうとおり)」や「木下屋敷」など秀吉ゆかりの地名が多い。 矢島副住職は「寺の新たな一歩の象徴で、唯一無二の宝物だった。かえってきてほしい」と話す。情報提供は中村署(052・452・0110)へ。(松本敏博)
朝日新聞社