フォーデンはなぜ「47番」をつけている? 忘れられぬ祖父との記憶
誰も欲しがらない「47」に秘められた想い
現在プレミアリーグで首位を走るマンチェスター・シティ。CLではレアル・マドリードに敗れたものの、それだけにプレミア4連覇に向けて士気は高いはずで、今季も選手たちが素晴らしい躍動を見せている。 [動画]CLレアル戦で炸裂したフォーデンの超絶技巧ミドル! まだシーズンが終わったわけではないが、今季シティで特に印象的なパフォーマンスを見せた選手がMFフィル・フォーデンだろう。すでに14ゴール7アシストを決めており、周囲との連携や強烈なミドルシュートなども一層磨きがかかった印象だ。 そんなフォーデンだが、背番号は若手だった頃のまま「47」を背負っている。通常、アカデミーの若手から中心選手へと成長すれば、しだいに若い番号が与えられることになる。フォーデンのプレイスタイルであれば「10」「8」「7」などがふさわしいと思われるが、なぜ彼は「47」を背負い続けるのだろうか。 英『Daily Mail』に掲載されたコラムのなかで、その真実が語られた。2021年にセルヒオ・アグエロが退団したとき、背番号「10」がフォーデンにオファーされた。しかし、彼はそれを断った。背負っている「47」は、彼の愛する祖父が亡くなったときの年齢なのだという。 「若いときは、何の(番号の)シャツを着るかについてはあまり選択肢はない。いくつか番号が送られてきたけど、その47番以外は僕にとってなんの意味もなかったんだ」 「それは僕の祖父が亡くなったときの年齢だ。彼を失ったとき、僕はまだ幼かった。一緒にウェールズに行ったり、何度か旅行に行ったことを覚えているよ。父は、(祖父が)僕とサッカーをするのが大好きだったと言っていた」 「父に、その番号をつけたら喜ぶだろうかと尋ねた。それは素晴らしいことだと言われたので、僕は背番号を受け取ったんだ。それ以来、僕はそれが大好きだ。今はそのタトゥーも入れているけど、それは変わることのないシャツみたいなものだ。自分自身の遺産を作るのは素晴らしいことだよ。これ(47番)は、誰も狙うことのない奇妙な数字だ。僕がゴールを決めた数年後、シティでの47はフィル・フォーデンの番号だと記憶に残ることを願っているよ」 近年は「10」や「9」に憧れるよりも、自分のラッキーナンバーや、ゆかりのある数字を背番号にする選手も増えた。このようにパーソナルな想いが秘められた番号を背負うことは、選手のモチベーションにもつながっていくのだろう。フォーデンは亡き祖父への慕情とともに戦っていたのだ。
構成/ザ・ワールド編集部