尹大統領「キム・ゴンヒ特検法は政治扇動…妻への愛の次元の問題ではない」
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は7日、野党が推進する「キム・ゴンヒ特検法」は「司法作用ではなく政治扇動」だとして、反対の立場を表明した。 尹大統領はこの日、龍山(ヨンサン)の大統領室で国民に向けた談話の発表後に行われた記者会見で、「(キム・ゴンヒ特検法の受け入れ問題は)妻に対する愛と弁護の次元の問題では絶対にない」としつつ、「特検は司法という名を使って政治を行おうとするもの」だと述べた。 尹大統領は、「基本的に、特検をやるのかやらないのかを国会が決めて国会が事実上特検を任命し、膨大な捜査チームを設置する国はない。明らかに自由民主主義国家の三権分立体系に違反するから」だと述べた。 続けて「どんな事件に対して捜査権を発動し、どんな事件に対してどんな検事に事件を割り当てるかというのは、憲法の基本である三権分立の本質である行政権の固有の部分」だとし、「大統領と与党が反対する特検を任命するということ自体が、法律によって何でもできるということであるため、それ自体が基本的に憲法に反する発想」だと批判した。 また「(すでに捜査した事案に対して)改めて膨大な規模の(特検)捜査チームを作って捜査を行うというのは問題がある」と強調した。尹大統領は「すでに2年以上も数百人の捜査人員を投入し、それこそ別件に別件(捜査)を数え切れないほど重ねて、本当に途方もなく多くの人々を調査した。キム・ゴンヒの起訴に値する嫌疑が出てくるまで捜査した」として、「しかし起訴できなかったではないか」と強調した。 さらに「改めて捜査せよという要求は司法作用ではなく政治扇動であり、改めて捜査することになれば、私の妻だけを捜査するのではなく、あらゆる事件をすべて捜査しなければならないが、一事不再理というのは通常、捜査をおこなって暴いた事件については繰り返し捜査しない(というものだが、その原則に反する)。(捜査したら)個人に対する人権じゅうりんだ」と指摘した。「今後、このようなことがやたらと繰り返されるとすれば、司法の名において絶対に必要な時に使うべき刀を政治に持ってくるもの」だとも述べた。 尹大統領は「私は、私の妻が何か過ちを犯したり違法行為をしたりしたとすれば、私の身分が弁護士だったら私の妻を守らなければならないが、私が検察総長や大統領の地位にあるとすればそれはできない」と述べた。 チャン・ナレ、チョン・グァンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )