ジェーン・スー、桜林直子の快適論「シーツを変える頻度が違う人とはベッドを分ける」「毛玉のついたタイツは処分した方がいい」
昨日まで顔を拭いてたタオルで
スー 大切に着ることは大事だけど、丁寧に着るということと、決断を先送りにして判断しないことは別物なんだよね。ネグレクト全般って、決断を先送りして直視しないことだと思う。それで凌(しの)げることもあるけど。 ちゃんとした方が気持ちはいい。半年に1回は下着を全部捨てて入れ替えるという友達がいて、その人はすごくちゃんとしてる。 サク わたしはタオルでそれをやってるよ。毎日使ってると古くなっていることに気づかないから、あるとき突然総とっかえするの。捨てる前にそれで家中掃除してね。昨日まで顔を拭いてたタオルで換気扇を拭くという背徳感よ。 スー 床を拭いたら捨てればいいのに、私はそれを洗って溜めちゃう。だからうちには人に見せられない雑巾の山がある。 サク 捨てればいいものをとっておきがちというスーさんの意外な傾向が見えてきたね。 スー 大豪邸に住んだら何も捨てなくなるかもしれない。とにかくうちはものが多い。 サク 部屋は本人に似るというけど、そうなのかな。 スー 部屋を綺麗にすると気持ちがいいのは間違いない。見ないことにして判断を先送りにしている問題が部屋で顕在化する。 サク 自分が弱るとまず部屋が荒れるじゃない。体より先に部屋が荒れるよね。 スー そうそう。私は定期的に人を招くことで回避してる。見栄があるから。人と関わることで人はちゃんとするんですよ。 サク あー、いいね。人の目、大事。 スー 他者を介在させることで人はちゃんとする。そんなことで私の真価なんてわからないよっていうのもおっしゃる通りだけど、そんなところでジャッジされたくないならちゃんとした方がいい。となると、毛玉のついたタイツは処分した方がいいね。
---------- 桜林直子(さくらばやし なおこ) 1978年、東京生まれ。洋菓子業界で12年の会社員を経て2011年に独立。クッキーショップ「SAC about cookies」を開店(現在はオンライン販売のみ)。noteで発表したエッセイが注目を集め、ドキュメント番組『セブンルール』に出演。20年より「雑談の人」という看板を掲げ、マンツーマン雑談サービス「サクちゃん聞いて」を主宰。著書に『世界は夢組と叶え組でできている』がある。 ---------- ジェーン・スー(じぇーん・すー) 1973年、東京生まれ。コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」、ポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」のパーソナリティとして活躍中。著書に『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(第31回講談社エッセイ賞受賞)、『生きるとか死ぬとか父親とか』『おつかれ、今日の私。』『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』などがある。 ----------
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