<里崎が語る>最下位オリックスに浮上策はあるのか?
打線だけでなく、投手陣についての同じことが言える。チーム防御率も3.59でロッテに次いで悪い。先発では、金子が間に合わずにエースが不在。金子がいれば連敗が止まるし、そういう勝ちでチームもリズムを取り戻すことができるのだが、今のところ歯止めを計算できる先発投手もなく、昨季、あれだけ充実していた中継ぎも、故障者が続出した影響を受けて、勝ちゲームを中継ぎで失うパターンも少なくない。 こうなれば調子を見ながら使うのではなく、思い切って勝ちパターンの中継ぎの起用順番を決めてしまうことだ。選手も意気に感じるし、調整の準備も整えやすい。勝てない→調子を見ながらとっかえひっかえの起用→打たれて中継ぎの編成が崩壊……という最悪のサイクルから脱出するためには、ここにも腹をくくった采配が必要になると思う。 僕も現役時代は、キャッチャーとして、絶対に弱気な態度やサインを出さないことをポリシーとして決めていた。チームの要がオドオドしていては、不安がチームに伝染する。監督、コーチは、チーム不振のときこそ、ドンと腰を据えていることが必要だろう。昨季優勝争いをしたチームの原点に回帰して、地に足をつけ、どうすれば勝てたか、何が原因で負けたかのパターン、データを冷静に分析しながら軸を固めて浮上策を練るべきだと思う。 (文責・里崎智也/元千葉ロッテ捕手、現千葉ロッテSA、評論家/構成・本郷陽一)