砂田さん（中央）の説明で唐破風の彫刻を見学する参加者＝南砺市川西

　南砺市の井波彫刻塾の受講生は14日、5年前に火災で焼失した世界遺産・首里城（那覇市）の再建に携わる井波彫刻師の砂田清定さん（74）=南砺市川西=の工房を訪ね、高度な復元技術を学んだ。 　砂田さんは城の正殿の装飾「唐破風（からはふ）」の彫刻の復元を担当している。工房で進められている作業に間近で触れる見学会を井波彫刻協同組合が企画し、塾の受講生10人が参加した。組合の藤﨑秀平前理事長ら講師3人が同行した。 　砂田さんは、沖縄県の指示で大正時代の首里城の写真を基に原形を作り、龍の目の位置やうろこの数などを忠実に再現していると説明した。龍のひげなど折れやすい部分は風雨に耐えられるように工夫して彫り、来年1月の完成を予定しているとした。 　昨年6月から塾に通う富山市八尾町の久村祐子さん（49）は「今は龍と雲を彫っており参考になった」と話した。