【JAIA試乗会】未来のジドウシャ メルセデス・ベンツEQS 450+
世の中にはBEVが大嫌いな人がいる。もう自分は内燃機関一本勝負、そもそも免許返納と内燃機関の終焉とでは、自分の方が先に終わっちゃうんだから「そんなもん」を所有することなど頭にないし、分からないままガソリン臭く人生を全うすりゃ幸せ・・・。言いたいことはよくわかりますし、僕も現段階では航続距離、充電問題、そして環境への負荷などを考え始めたらBEVは選ばない、というか選べない。
今、自分の自動車を乗り換えるのなら純粋なガソリンディーゼルエンジンか、いいとこハイブリッドモデルで、BEVも水素ももうちょっと先延ばしでもいいや、僕はそういうずるい(?)人間ではあるが、実際多くの人は2024年の2月の段階ではそう感じているのではないだろうか。
さて、話はちょっとさかのぼるが、2年前に「JAIA輸入車試乗会」の会場で乗ったメルセデス・ベンツS400dはもう本当に素晴らしかった。クリーミーで濃密で、厚い掌の上で支えられているかのような絶大な安心感。久しぶりに触れることができたこれぞ「まごうかたなきメルセデス・ベンツ」で、あれからしたら自分の乗っているE220dは、なんだか普通のクルマだなぁ、と瞬間的にちょっと魅力を失うような、それはそれは圧倒的にメルセデス・ベンツが2年間に接したS400dだった。
あの車に、さあEQS450+は近づけているのか、あるいは抜いているのだろうか、と期待を抱きながら未来感あふれる室内に入る。基本的な操作系は内燃機関のメルセデス・ベンツを知っている者は戸惑わないものの、正直言って細かい設定やモードの切り替えなど、短時間はおろか数年所有してもすべてを使い切る自信がないほど、複雑で難解で階層が深いタッチスイッチに戸惑う。ここまで操作系が複雑だと、おそらく僕が今使っているワードとかエクセルと同じように、最後まで使い切れない便利装備が残ったままクルマとお別れする可能性大、である。