カスハラ対策にAI活用システム NTTコムやソフトバンクが試作
NTTコミュニケーションズは9日、客が従業員らに理不尽な要求をするカスタマーハラスメント(カスハラ)への対策に生成人工知能(AI)を活用する試作のシステムを報道陣に公開した。コールセンターで顧客への電話対応がスムーズになるよう従業員を支援する。ソフトバンクも顧客の声を穏やかなトーンに変換するAI技術を開発中で、各社で従業員を守る取り組みが進む。 NTTコムは、AIを搭載したコールセンター支援システムを開発。客と従業員双方の発言を認識し、従業員が見る画面に質問への適切な回答案を表示する。9日のデモンストレーションでは、通信契約に関する客のクレーム対応時に、代わりとなる契約を説明する回答案を従業員に提示。従業員が実際に答えた内容も確認し、画面で「問題ありません」とコメントを表示し、勇気づけた。 NTTコムによると、客から強いクレームを受けると動揺して冷静に応対できなくなるため、素早く回答案を示すことで従業員の精神的な負担が減る。迅速な回答で、客の怒りが抑えられる効果も期待できるという。