安倍派幹部に「離党勧告」処分検討も…“ほとぼりが冷める”のを待つだけ? 不記載額最多の二階氏「処分なし」のまま 岸田総理は幕引き狙う【自民党裏金問題】
いっこうに収まる気配のない、派閥からのキックバックを裏金化していた自民党議員の問題。その処分について新たな動きがありました。
世耕氏らは2番目に重い「離党勧告」も…ほとぼりが冷めるのを待つだけ?
自民党の茂木敏充幹事長はきのうの会見で、党紀委員会の開催を要請。キックバックを裏金化していた安倍派と二階派議員ら85人のうち、不記載額が500万円以上だった人と安倍派幹部、あわせて39人の処分をする方向だと明らかにしました。 そのうち、安倍派でのキックバック再開を協議した、塩谷立氏・世耕弘成氏、西村康稔氏、下村博文氏の”幹部4人”については、「選挙の非公認」以上とする意向で、中でも塩谷・世耕両氏については、処分の中で上から2番目に重い「離党勧告」の検討がされています。
自民党本部での勤務経験があり、裏方として政治の世界を見てきた政治アナリスト・伊藤惇夫さんの解説です。 ----安倍派幹部の2人が“銀座3兄弟”より軽い処分だとバランスが悪い。世耕氏は参議院の責任者なので処分には納得できる。ただ塩谷氏は安倍派の座長で役職はあるけれども、実権はあまりないので、この処分には首をかしげる。 また離党勧告は、復党することもできるということで、ほとぼりが冷めた時に選挙に出馬するのではないか、この処分にどれほどの実効性があるのか。 さらに、今回の処分は“玉突き処分”で、役職が上の立場2人の処分を重くしないと、下が軽い処分になってしまうということで、西村前経産大臣と下村元政調会長の2人については、「党員資格の停止」と「選挙での非公認」どちらかの処分になるのではないか。
不記載額最多の二階氏は次期選挙に不出馬表明で「処分なし」に
しかし、不記載額が3526万円と最も大きかった二階派トップ、二階俊博氏は処分を逃れました。 理由について茂木幹事長は「自ら政治責任を取り、次期衆院選への不出馬を表明した判断を重く受け止め、党紀委員会への審査要請をしないこととした」としています。
(伊藤さんの解説) ----二階氏については、会計責任者と秘書が立件されているのに処分がないのはおかしい。 4日にも岸田総理は処分を決めるということで、岸田総理はこれで幕引きしようとしているが、実態解明もしていないのに処分するのは、前後逆ではないか。 (『newsおかえり』2024年4月2日放送分より)