岸田内閣、自民党の支持率は最低記録を更新 6月世論調査まとめ
6月中に行われ、有効回答数や回答を公開している報道機関9社、および選挙ドットコムの世論調査の結果をまとめ、比較しました。なお、各社の調査日や手法は異なるため、あくまでも参考値としてご覧ください。
岸田内閣の支持率は、発足以降の最低記録を更新
6月の調査では、岸田内閣の支持率はやや低下する結果となりました。全体としては約23.3%から、約20.8%になっています。岸田内閣の発足以降、内閣支持率の最低値は2024年2月の約21.4%でしたが、今回はそれをさらに下回り、最低値の更新となりました。 個別の調査においても、そのすべてで内閣支持率は低下しています。もっとも低下の幅が大きかったのはJNN(TBSテレビ)の調査で、5月4-5日の調査より4.7ポイント低下の25.1%になりました。もっとも低下の幅が小さかったのは選挙ドットコムの調査で、5月11-12日の調査より0.4ポイント低下の19.4%となっています。 内閣不支持率は、前回よりやや上昇する結果となりました。全体としては約62.3%から、約64.1%になっています。 個別の調査では、前回よりもっとも不支持率が上昇したのはNHKの調査で、5月10-12日の調査より5.0ポイント上昇の60.0%になりました。それ以外の調査もおおむね不支持率は上昇しており、唯一支持率が低下した選挙ドットコムの調査では、前回より0.2ポイント低下の58.1%になっています。
自民党の支持率は微減し最低記録を更新、立憲民主党も微減
政党支持率はどうでしょうか。まず与党である自民党の支持率は、前回より微減という結果になりました。全体としては約24.0%から、約23.6%になっています。前回の2024年5月に、2020年9月の菅義偉内閣発足以降の最低記録を更新した自民党の支持率ですが、今回はそれをさらに下回り、最低値の更新となりました。 個別の調査では、前回よりもっとも支持率が上昇したのは日本経済新聞・フジテレビの調査で、5月24-26日の調査より4.0ポイント上昇の31.0%になりました。反対に、もっとも支持率が低下したのは朝日新聞の調査で、5月18-19日の調査より5.0ポイント低下の19.0%になりました。 野党第一党の立憲民主党は、前回より支持率は変わらず~微減という結果になりました。全体としては約10.9%から、約10.1%になっています。 個別の調査では、前回よりもっとも支持率が上昇したのはNHKの調査で、前回より2.9ポイント上昇の9.5%になりました。反対に、もっとも支持率が低下したのはJNNの調査で、前回より2.9ポイント低下の7.3%になりました。 日本維新の会は、前回と支持率は変わらず~微増という結果となりました。全体としては約5.5%から、約5.6%になっています。 個別の調査では、前回より支持率がもっとも上昇したのは読売新聞・日本テレビの調査で、5月17-19日の調査より2.0ポイント上昇の6.0%となりました。反対に、もっとも支持率が低下したのは毎日新聞・社会調査研究センターの調査で、5月18-19日の調査より2.0ポイント低下の8.0%になりました。 岸田首相の自民党総裁任期が満了となる関係で、9月に予定されている自民党総裁選にも注目が高まってきました。世論調査でも、「次の自民党総裁(首相)は誰がいいか」という趣旨の問いが目立つようになっています。毎日新聞・社会調査研究センターの調査では、3位の上川陽子氏が8.0%、2位の高市早苗氏が9.0%、1位の石破茂氏が20.0%となり、また共同通信の調査では、3位の河野太郎氏、上川氏が7.8%、2位の小泉進次郎氏が12.1%、1位の石破氏が26.2%になりました。このふたつの調査のみでも、石破氏に対する期待の高さがうかがえますが、自民党の支持基盤そのものが揺らいでいる以上は、トップの変更が根本的な信頼回復につながるとも見がたいでしょう。引き続き注目です。 <参考> JNN(TBSテレビ) 世論調査(6月1~2日実施、回答数1008) NHK 世論調査(6月7~9日実施、回答数1192) 時事通信 世論調査(6月7~10日実施、回答数1242) ANN(テレビ朝日) 世論調査(6月15~16日実施、回答数1017) 朝日新聞 世論調査(6月15~16日実施、回答数1012) 選挙ドットコム 世論調査(6月15~16日実施、回答数984) 毎日新聞・社会調査研究センター 世論調査(6月22~23日実施、回答数1057) 共同通信 世論調査(6月22~23日実施、回答数1056) 読売新聞・日本テレビ 世論調査(6月21~23日実施、回答数1023) 日本経済新聞・テレビ東京 世論調査(6月28~30日実施、回答数838) (データ分析・執筆:若林良)