《在阪スポーツメディアの激変》阪神「岡田語録」が消えて「火の玉語録」に 「“おーん”や“アレ”が消滅。藤川新監督の答えが優等生過ぎて…」の悩みも
昨年、阪神タイガースを38年ぶりの日本一に導き、「アレ」が流行語にもなった岡田彰布監督だったが、今季はクライマックスシリーズのファーストステージで2連敗を喫し、シーズンが終了。そのまま退任となった。社会現象を巻き起こした岡田氏の退任で、在阪スポーツメディアも大きな転機を迎えている。 【完全図解】なぜ「鳥谷監督」が実現しなかったのか? 藤川新監督就任の舞台裏
今季終了時に通例なら岡田氏のシーズン終了挨拶が行なわれるが、10月13日のCS第2戦の後はファンの前に姿を現さないがないままベンチ裏に消えた。岡田氏の行動に違和感が残るなか、翌14日には阪神球団がOBで球団本部付スペシャルアシスタントの藤川球児氏が新監督に就任すると発表。翌15日からの在阪スポーツ各紙は藤川新監督の記事で埋め尽くされた。 10月15日に藤川新監督が就任会見をすると、翌16日付のサンケイスポーツには「球児監督・火の球TALK」が登場。日刊スポーツは「球児監督語録・火の球トーク」、スポーツニッポンは「藤川語録・球児苑」として会見内容を掲載。翌17日にはデイリースポーツが「藤川球児監督・火の球語録」をスタートさせた。
岡田語録は「書き起こすだけで面白かった」
藤川監督の就任会見前日までは、サンケイスポーツは「岡田監督のまあ聞いてえな」、スポーツニッポンは「新岡田語録・アレやコレや」、日刊スポーツは「岡田監督語録・はっきり言うて」、デイリースポーツ「岡田監督のアレトーク」を掲載していたが、何事もなかったように藤川語録に入れ替わったのだ。 ただ、その内容は岡田監督時代のものとは大きく違うと話すのは虎番記者のひとりだ。 「野球解説を聞いていてもわかるが、球児新監督は饒舌。しかも理路整然としていてわかりやすい。一方で、とにかく話が長い。デイリースポーツでは監督就任会見の全文を見開きで掲載していたが、まるで日経新聞の経済記事を読んでいるようだった。答えが優等生すぎて興味を引くタイトルが打ちづらいため頭を抱えています。 その点、岡田前監督は流行語大賞に輝いた“アレ”をはじめ、“お~ん”“そらそうよ” “はっきり言うて”“そんなんオマエ”と独特の言い回しがあって、書き起こすだけで面白かった。あと岡田監督は主語を飛ばして話すクセがある。そのため各社がそれぞれ解釈してカッコで捕捉するため、若干ニュアンスが変わってくることも。それで監督が怒って2~3日、口をきかないことも珍しくなかったが、逆に言えば各社のカラーが出る余地があった。 野村克也、星野仙一、岡田彰布と独特の発信力がある監督の時はいいが、球児節は他社と差別化をするのが難しいそうです」