空振りして分かることもあるさ…「監督は怒っちゃいけない」野球大会 全員打席に、順位なしの理由は
試合中に監督やコーチが選手を怒ってはならない―とルールで決めた「《監督が怒らない》ワンダフルベースボール大会」が30日、上田市丸子総合グラウンドで開かれた。中学、高校で野球をする生徒が減っている地域事情を踏まえ、伸び伸びとプレーする楽しさを小学生に知ってもらいたいと、県上田・東御・小県地区野球協会が初めて企画。元バレーボール日本女子代表の益子直美さんが全国で開く同趣旨の大会を参考にした。 【写真】ベンチに引き上げる選手とハイタッチ
上小地域の軟式野球8チームから約150人が参加。3イニング制で、各チームが1、2試合に臨んだ。順位は付けなかった。アウトの数に関係なく、各回表裏は8分経過した時点か打者9人で終了。担当理事の高橋幸夫さんは「打つことの楽しさと守ることの大切さを味わってもらいたい」と説明し、選手全員が打席に立つことなどをルール化した。
神畑学童野球(上田市)の牛越貫太君(11)=坂城町南条小学校5年=が、サードゴロの間に迷いながら二塁から三塁に進んだ場面。プレーの合間に阿部雅也監督(47)=上田市神畑=が駆け寄って「1回止まってボールを見よう」と助言し、「ナイスラン」と励ました。牛越君は「自分のペースで野球ができ、楽しかった」と話した。
阿部監督は、打席に向かう選手に「どんどん空振ろう。振っていけば分かることがあるさ」と声をかけた。終了後には「伸び伸びとスイングできていた」と振り返った。