「光る君へ」最終回“道綱サイレント退場”も“癒やし枠”貫く「憎めない」ネット和む“大臣おねだり”史実
女優の吉高由里子(36)が主演を務めたNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は今月15日、15分拡大で最終回(第48話)が放送され、完結した。話題のシーンを振り返る。 <※以下、ネタバレ有> 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛けた大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。 最終回は「物語の先に」。寛仁4年(1020年)、陣定。藤原顕光(宮川一朗太)は藤原頼通(渡邊圭祐)に辞職を迫られた。 藤原道綱(上地雄輔)「ついに左大臣が辞めると思うのだ」 藤原道長(柄本佑)「ご決意されたか」 道綱「俺、大臣になれないかな?一度、大臣やりたかったのだよ。だって25年も大納言をやっておったゆえ」 道長「25年大納言であったということは、大臣なぞ所詮、無理だという証し」 道綱「分かってるよ!そんなこと。それゆえちょっとだけって頼んでいるのじゃないかぁ。ちょっとだけでいいよ。すぐ辞めるから。二月や三月で。頼通に頼んでよぉ」 道長「兄上にとって、政とは何でありますか?」 道綱「政とは…地位だろ。母上(藤原寧子/財前直見)が、男は座る地位で育つのだって、おっしゃっていたゆえ。変なこと言ってごめん。(両手で道長の頬を挟み)俺を嫌いにならないで!」 道長「嫌いにはなりませぬ」 藤原道綱の没年は寛仁4年(1020年)。最終回の劇中の年代は長元元年(1028年)まで進み、道綱の最期への直接的な言及はなし。万寿4年(1027年)となった際の「後一条天皇(橋本偉成)の下、道長時代の公卿は、実資、斉信、行成だけとなり、道長の息子たちが政の中心を占めるようになっていた」(語り・伊東敏恵アナウンサー)という示唆だけで、道長との兄弟の対話をもって“サイレント退場”となった。09年「天地人」以来15年ぶり2回目の大河となった上地雄輔が最後まで“癒やし枠”の役を好演した。 また番組公式サイトによると、藤原実資の日記「小右記」には「(前略)私(道綱)は一家の長兄である。今回、もし丞相に任じられなければ、何の恥がこれに勝ろうか。ただ、一、二箇月、貸してくだされ(後略)」とあり、劇中の描写は史実ベース。 SNS上には「道綱は最後まで癒やし枠。道長にとっても癒やしの兄なのね」「二月や三月で辞めるからw最後まで憎めない」「道長と道綱の会話には笑ってしまいましたが、道綱が大臣になりたいと頼み込んだのは史実」「ほっぺたムニュり放題の道綱、お兄ちゃんにやられ放題(無抵抗)な道長くん、面白かったなw」「存在自体に温かみがあり、フフッと笑えるシーンもたくさんありました。『光る君へ』のスパイスであり、オアシス」などの声が相次ぎ、反響を呼んだ。 「総集編」は12月29日(後0・15~4・03)に放送される。