アックマン氏、クローズドエンド型ファンドに約250億ドル
(ブルームバーグ): ヘッジファンド運用者ビル・アックマン氏は、長く困難なアクティビスト・キャンペーンには慣れている。米国のクローズドエンド型ファンドに約250億ドル(約4兆175億円)を投入するよう投資家を説得するのは、またしても困難な闘いになりそうだ。
事情に詳しい複数の関係者によれば、同氏はパーシング・スクエアUSAの新規株式公開(IPO)に向けた説明会で機関投資家に対し、X(旧ツイッター)の130万人のフォロワーを使って自分の考えを伝えると語った。
関係者の1人によると、このファンドは主に機関投資家に焦点を当てるが、個人投資家にも関心がある。パーシング・スクエアUSAは250億ドルの資金調達を目指していると、ブルームバーグ・ニュースは6月3日に報じていた。実際にそうなれば、同氏のヘッジファンドの運用資産190億ドルを上回ることになる。この規模のファンドができれば、パーシングは上場企業にもっと大きな出資ができ、一段と大きな影響力を得ることができると、その関係者は語った。
パーシング・スクエア、米ファンドに250億ドル調達目指す-NY上場へ
CEFアドバイザーズのジョン・コール・スコット社長は「250億ドルの資金を調達するのは難しいが、アックマン氏には高い信頼と多くのリソースがあることは知っている」と発言。「このようなことは、米市場では過去に例がない」と語った。
疑念払拭
このような巨額の資金を集めるためには、アックマン氏はこのセクターに対する疑念を払拭しなければならない。
クローズドエンド型ファンドは、証券取引所に上場されているポートフォリオで、ジャンク債や債券のような現金を生み出す資産で構成されており、一般的には定期的な収入を求める退職者向けに販売されている。しかし、ここ数年は金利が急上昇しているため、その多くは原資産の価値を大きく下回って取引されている。
アックマン氏が100億ドルを投じている欧州上場ファンドも例外ではない。ブルームバーグがまとめたデータによると、このファンドは純資産価値に対して23%のディスカウントで取引されている。インベストメント・カンパニー・インスティテュートによれば、クローズドエンド型ファンドの約4分の3が、ある月にディスカウント価格で取引されている。