多くの樹木が植えられている明治神宮外苑（三尾郁恵撮影）

再開発が進む明治神宮外苑（東京都新宿区など）について三井不動産などの事業者側は21日、新たな樹木保全策と、保全策に伴う工事内容の変更届を都の環境影響評価審議会に報告した。建設予定施設の位置をずらすなどして伐採本数は当初計画より124本減らし、619本とする。事業者側は、早ければ10月中に伐採を始める方針。 【エリアマップでみる】明治神宮の内苑と外苑の樹木 都はすでに変更届などを受理しており、審議会では環境への影響を懸念する意見は出なかった。審議会が新たな保全策に一定の評価をした形で、議論を呼んできた明治神宮外苑の再開発は節目を迎えた。 再開発では、神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替え、高層ビル3棟を新たに建てる。 事業者側は新ラグビー場などの施設の形や位置を一部見直した。樹木保全策では3メートル以上の高木の伐採本数を削減するほか、新たに植える木を当初計画より261本増やす。全体の本数は再開発前より400本増の2304本となる。4列のイチョウ並木を保全するため、歩道の縁石から新球場の距離を約8メートルから約18・3メートルに広げる。 審議会では専門家から事業者側に対し、工事の影響を踏まえた樹木の健康状態の把握や、日照の確保の徹底などを求める指摘が出た。 小池百合子都知事は都庁で取材に応じ「事業者には理解と共感が得られるように対応していただきたい」と述べた。