〔NY外為〕円、159円台後半=2カ月ぶり安値水準(21日)
【ニューヨーク時事】週末21日のニューヨーク外国為替市場では、米国の早期利下げ観測が後退する中、円売り・ドル買いが加速し、円相場は1ドル=159円台後半に下落した。政府・日銀が為替介入したとみられる4月29日に160円台を付けて以来、約2カ月ぶりの安値水準。午後5時現在は159円81~91銭と、前日同時刻(158円90銭~159円00銭)比91銭の円安・ドル高。 S&Pグローバルが午前発表した6月の米製造業およびサービス業購買担当者景況指数(PMI)速報値は、それぞれ51.7、55.1といずれも前月確報値から上昇、市場予想を上回った。米経済の堅調を示す指標内容を受け米利下げ期待が幾分弱まり、米長期金利の指標である10年債利回りが上昇すると、円売り・ドル買いが活発化。円は一時159円87銭を付けた。 米連邦準備制度理事会(FRB)高官らによる早期利下げに慎重な発言のほか、日銀の追加利上げを巡る不透明感などから、日米の金利差は当面縮まらないとの見方も根強かった。 ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感もくすぶっており、159円台後半ではもみ合い商状となった。財務省の神田真人財務官は21日朝、記者団に対し、米政府が最新の為替報告書で日本を「監視対象」に再指定したことを巡り、問題視しない認識を表明。この上で、「(為替の)過度な変動がある場合には適切な対応をしっかりと取っていく」と改めて強調したため、市場では円安けん制発言と受け止められている。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0689~0699ドル(前日午後5時は1.0697~0707ドル)、対円では同170円84~94銭(同170円03~13銭)と、81銭の円安・ユーロ高。