<F1>マクラーレンと別離してホンダはどこへ向かうのか?
ホンダとトロ・ロッソの交渉は、夏休み中に破談したと言われているが、モンツァで再開されたという。 「チームにはチームの考え方があり、ホンダにはホンダのやり方がある。それをどうやって理解しあって、お互いがハッピーになれるか。契約を盾に自分たちの主張だけをゴリ推ししても、ウィンウィンの関係にはなれない」(山本部長) だが、ホンダがマクラーレンとの契約を解消し、トロ・ロッソへ供給するには、クリアしなければならないさまざまな障壁がある。それが山本部長が言う「パズル」であり、「どうはめるか」というのが現在の状況だと推測される。そして、その答えは早ければ、今週中にも明らかになる。 どのような結論が出されたとしても、現時点でホンダがF1から撤退することはない。 「2013年にF1に復帰することをホンダが決定したとき、われわれは今度は継続していくという強い信念を持って入ってきました。この3年間戦ってきて、正直『ホンダは厳しいね』というチームもあれば、『ホンダとやっていきたい』というチームもあります。みんなから『いらない』と言われているわけではありません」と山本部長は撤退を否定した後、こう続けた。 「今日(9月3日)、ジャン・トッド(FIA会長)と会いましたが、『われわれはホンダを応援する』と言われました。昨日もチェイス・キャリー(F1会長兼CEO)とロス・ブラウン(F1モータースポーツ担当マネージング・ディレクター)がホンダのモーターホームに来てくれて、『ホンダはF1の世界にいてほしいし、いるべきだから、われわれにできることがあれば、なんでも言ってくれ』という言葉をかけていただきました」 ホンダを必要としている人たちがいる。その人たちのため、新たな一歩を踏み出す時が来ている。 (文責・尾張正博/モータージャーナリスト)