【解説】“千葉で震度5強”“鹿児島で震度5弱”全国で相次ぐ地震…関連は? 首都直下地震への影響とは―
■千葉南部でM5.2の地震 木更津市で震度5強 君津市で震度5弱
11日午前4時16分ごろ、千葉県南部を震源とする地震が発生しました。震源の深さは40キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.2です。この地震で、千葉県木更津市で震度5強、君津市で5弱を観測したほか、東北地方から中部地方の広い範囲で震度4から1の揺れを観測しています。
■千葉県付近 マグニチュード5クラス地震が度々発生 過去には東京で震度5強も―
1997年10月から今月13日までの期間に発生したマグニチュード2.5以上の地震を示した図では、海域と内陸でたくさんの地震が起きていることがわかります。2021年10月7日、千葉県北西部で発生したマグニチュード5.9の地震では、東京・足立区や埼玉県川口市などで震度5強の揺れを観測しました。このように、千葉県付近は、マグニチュード5クラスの地震が時々発生する場所です。
■千葉県付近で地震が多いワケ 南関東の下にある「3つのプレート」の存在
南関東の直下は、「陸のプレート(北米プレート)」、太平洋沖から沈み込む「太平洋プレート」、南から沈み込む「フィリピン海プレート」と、3つのプレートが重なった複雑な地下構造を持つ世界的にも珍しい場所です。プレートがぶつかり合い、ひずみがたまるため、地震がおきやすい場所です。11日の千葉県南部の地震は、フィリピン海プレートの内部で発生した地震です。また、2021年10月7日の地震は太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生しました。このほか、地殻内の浅い場所で起きる地震など、南関東のプレートで起きる地震のパターンは6つあるとされています。
■30年以内の発生確率70%「首都直下地震」との関連は?
首都直下地震について、国の想定では、マグニチュード7クラスの地震が、今後30年以内に発生する確率は70%程度とされています。 12日に開かれた政府の地震調査委員会では、今回の千葉県南部でのマグニチュード5.2の地震と首都直下地震の関連はないということです。その理由として、今回の地震の規模が、それほど大きくないことから、この地震が大地震の引き金となることはないとしています。
■関東大震災から100年 首都圏でマグニチュード7クラスの地震のおそれ―
首都直下地震は、首都圏の真下で起きるマグニチュード7クラスの地震を指しています。南関東では、これまでもマグニチュード7クラスの地震が多く発生しています。今年で発生から100年となる関東大震災は、神奈川県西部を震源とするマグニチュード7.9と、7.3の大地震が連続して発生したものでした。
■関東大震災が発生した「相模トラフ」とは――
「相模トラフ」とは、関東南部の沖合にある、陸のプレートの下に、南からフィリピン海プレートが沈み込んでいる場所です。プレート境界が強く固着しているため、プレートの沈み込みに伴って、ひずみが蓄積されています。国の想定では、相模トラフ沿いでマグニチュード8クラスの地震が、30年以内に0%~6%の確率で発生すると考えられています。 関東地方では、強い揺れとなるような地震が度々起きるということを再確認して、地震への備えを進める必要があります。