ユーミン・松任谷由実さんの呼びかけで被災地に向かった写真家・佐藤健寿さん 倒壊建物の前で撮影に応じる“能登のやさしさ”と破壊を見せる“あばれ祭の強さ” 能登の2024年を伝える写真展
写真家の佐藤健寿(さとう・けんじ)さんが、能登半島地震の被災地で撮りためた写真を展示する「写真展 能登 20240101」が金沢で開かれています。 【写真を見る】写真家・佐藤健寿さんが撮影した2024年の能登 ユーミンの姿 佐藤さんは「能登のことを忘れない」との思いで、被災地の現在の姿や能登の人の強さを知ってほしいと話します。 輪島市朝市周辺の呉服屋。ショーウインドウのガラスが割れて、ビルが斜めに傾いています。佐藤さんが写真を撮ろうとすると、中から高齢の女性が出てきたということです。 佐藤健寿さん「お母さんは、輪島に嫁いでから大きな地震は3回目だと笑いながら話していた。写真を撮ることには照れながらもにこやかに対応してくれた。このお母さんに限らず地元の被災者の方の写真を撮らせてもらったが、驚いたのは明るいと言ったら語弊があるかもしれないが、これだけの災害があって、そのうえで前を向いているのがすごく印象には残った」 ■「この景色を残さないといけない」 ユーミンが佐藤さんに呼びかけ 会場の金沢市のしいのき迎賓館には佐藤さんが能登を撮影した1万枚のうちおよそ120点が展示されています。 佐藤さんは、武蔵野美術大学を卒業後アメリカに留学し、その後は世界の奇妙な光景を撮影してきました。写真集がベストセラーになるなど活躍しているさなか、能登半島地震発生後、歌手の松任谷由実さんから連絡を受けました。 松任谷さんは、石川県の観光ブランドプロデューサーを務めていますが、自身のラジオ番組に佐藤さんが出演したことをきっかけに親交を深めてきました。松任谷さんが「この景色を残さないといけない」と佐藤さんに呼びかけました。 ■世界の廃墟を見てきた佐藤さん 被災地は「自分の想像を超えていた」 その後、2024年4月から被災地での撮影を始めました。 久々江龍飛アナウンサー「4月に撮影を始めて最初に入ったところは?」 佐藤健寿さん「最初は内灘町を訪れて、4月で道路が分断されている状態だった」 久々江龍飛アナウンサー「最初に被災地に足を踏み入れて感じたことは?」