かわいすぎて… 超絶リアルなわんちゃんのスイーツが話題に/福岡県久留米市
人を笑わせるのが大好き
わんちゃんの登場まで、カフェの営業を支えていたのは「アニメに出てくるチーズケーキ」。まだ客足が少なかった頃、店の看板商品を作らねばと、韓国のカフェのメニューを参考に開発した。 仲良しのネコとネズミがストーリーを繰り広げる、あの懐かしいアニメ作品に登場するチーズにそっくりで、「映える」「かわいい」と人気が爆発。多い日には400個ほどが売れるヒット商品に育った。
「売り切れた際に、お客さんの残念そうな顔を見るのがつらかった」と振り返る大貴さん。チーズケーキを楽しみに来てくれる人をがっかりさせたくないと、店に寝袋を持ち込み、千佳さんと交代で準備する日が続いたそうだ。
“異彩”を放つメニューはほかにも。素朴な顔を表面に描いた「がんめんフラッペ」はグループ客に特に喜ばれる。その顔面は”カワイイ”よりも記憶に残る”ブサイク”を重視してデザインし、男の子、女の子、坊主、おじさんの4種類がある。細かい作業で手間はかかるものの、客席で上がる笑い声を聞けば苦労も報われるという。
抹茶やほうじ茶など味の注文はできるが、どの顔が出てくるかはお楽しみ。店側の選択に対する客席の反応は果たして――? 「どんな表情を見せてくれるだろうか、そんなことを考えながら作っています」と千佳さんは話す。
店の内装も個性たっぷり
店の内装も「インスタ映えする」と好評だ。店内には「幸せな世界」をテーマに黄色に彩られた空間があり、人気の撮影スポットになっている。入り口近くの鏡は魚眼レンズのような半球体で、建設現場で使われるものを探し出して壁に掛けた。
あふれるアイデアの背景には、東南アジアや中国、韓国、台湾など、2人で楽しんだカフェ巡りの経験がある。「こんな店が地元にあったらいいね」。旅先で受けた刺激や交わした会話が、現在の店づくりやメニュー開発のヒントになっているそうだ。
次はどんなスイーツを考えているのだろう――。 大貴さんに尋ねると「がんめんフラッペを立体的にできないか」と模索しているという。お客さんが喜ぶ姿を想像しながら、二人三脚で新しい商品づくりに向き合う。そんな2人の笑顔が輝いて見えた。
読売新聞