【バレー】「Vリーグでバレーがしたい!」信念を持ち続けてスタメンセッターになったデンソー・山口結可「プレーできない時間の方が長かった。正直、怖さもありました」 V1女子
バレーボールV1女子のリーグ終了後に開催されているV Cupは3月31日で予選ラウンドを終了し、4月6・7日にファイナルラウンドを迎える。ファイナルラウンドに進出した4チームのひとつ、デンソーエアリービーズは5戦全勝で予選ラウンドを勝ち上がった。そのチームを支える司令塔が山口結可だ。
「私の想像を超えた活躍でした。本人に聞いたらスタートセッターの役割を任されるのは5年ぶりくらいと言っていました。Vリーグでは稀な存在なんじゃないかと思いますね」 現行最後のリーグとなったV.LEAGUE DIVISION1 WOMENのファイナル6(順位決定戦)の記者会見の席で、デンソーエアリービーズを率いる辻健志監督はそう言った。「稀な存在」とは今季の主戦セッターとして活躍した山口結可のことである。 「山口を中学校時代からユースの合宿などで見てきました。ハンドリングにとても優れたセッターで大いに期待していましたが、高校、大学と怪我に悩まされてしまいましたね。そういうこともあって、なかなか学生時代にはファーストセッターとして試合に出る機会がなかったのですが、Vリーグで戦いたいという彼女の想いは強く、その気持ちに応える形でチームに迎え入れました」 昨シーズンまで、デンソーエアリービーズには松井珠己(日本代表)という個性の強いセッターがいた。その松井がブラジルのマリンガに移籍。山口がチームの主戦セッターを引き継いだ。 「入団2年目でスタメンに起用してもらいましたが、Vチームに入団する前に全然プレーをしてこなかったので、正直、怖さもありました」 キャリア形成に大きな影響を及ぼす高校、大学時代。山口は怪我との戦いを続けていた。 「中学生の後半から高校生にかけて怪我が続いてしまって…大学に入ってもその怪我と向き合うことになりました。自分はVリーグでプレーをしたいという目標があったので、大学では試合に出ることより体づくりをメインでやってきたんです。恩師の藤井(壮浩、東海大学)先生からもプレーの前にまずは自分の体を作ることが大切だと言われてきました」 山口は続ける。 「バレーボールから離れてる時間の方が長かったので、バレーに対する考え方を忘れている部分もありました。でもスタメンでコートに立つ以上はチームの代表ですし、その責任もあります」