首相官邸に入る石破茂首相＝25日午前（春名中撮影）

【今日から始める10万円株】 27日の衆院選が目前に迫っている。10月半ばに行われた石破内閣の支持率は、あるメディアの世論調査では28％と低迷。新内閣として立ち上がったばかりにも関わらず、岸田内閣終盤の支持率をわずかに上回る程度の水準となった。 【表でみる】夕刊フジが作成した「落選危機にある大物・著名候補21人のリスト」 すでに、株式市場では防衛や防災、地方創生など「石破関連株」と目され買われた銘柄が散見されるが、自民党が選挙で大負けするようだと関連株の人気が落ちる可能性はある。 そこで、現状は選挙の結果に関係なく、中長期スタンスで狙える国策銘柄に照準を合わせるのがいいのかもしれない。今回は、その視点に合った10万円株を取り上げたい。 まずは、地方創生絡みの「日本駐車場開発」（2353）。商業施設や都心部ビル内などの大型駐車場の運営のほか、テーマパーク開発、カーシェアなど幅広く手掛ける。子会社の日本スキー場開発がインバウンド需要を背景に好調で、前期は売上高、利益とも過去最高を記録。グリーンシーズンの来場者数が昨年に続いて過去最高となるなど、インバウンドを背景とした「地方への人の流れ」が業績を後押ししている。今期も引き続き業績好調を見込むが、株価は200円台前半と割安感がある。2万2800円で購入可能（21日終値ベース、以下同じ）。 同じ視点で、三重県内を中心としたバス・タクシーやホテル事業などを展開する「三重交通グループホールディングス」（3232）。三重県は外国人旅行客の割合が低く、これまでインバウンドの恩恵をあまり得られていない。県側もその弱みを把握しており、地方創生の中心となる「交付金倍増」の使いどころがはっきりしているのはポイントだ。「地方創生＋インバウンド需要」によって業績、株価ともに上向きになるだろう。4万9700円で買える。 防衛の観点からは、エンジンバルブメーカーの「NITTAN」（6493）に注目。船舶向けエンジンや船外機でも高シェアを誇っており、10月施行の「防衛生産基盤強化法」によって、船舶向けの利益率改善が見込める。業績へのインパクトは小さいが、ジワジワと株価に効いてきそうだ。株価は指標的な割安感が強く、1単位当たり2万6200円で買えるのも魅力。　（吉田礼音）