【オリックス】FA加入新戦力が移籍後初の本塁打 初球特大のファウル後「打ち直せたのでよかった」
◆パ・リーグ 日本ハム4―5オリックス(28日・エスコンフィールド) オリックス・西川龍馬外野手(29)にしかできない芸当で決めた。「いい感じに上から『ぶったたけ』ました」と表現した移籍後、初本塁打は2点を追う6回先頭だ。開幕から26試合、110打席目。見逃せばボールだった加藤貴のスライダーを斬り、右翼ポール際へ運んだ。 打ったのは、2ボール2ストライクからの6球目だった。初球もフォークを狙い、同方向へ特大のファウル。18日の楽天戦(楽天モバイル)でも、2打席連続で紙一重の打球を放っていた。「あれで『またか』と思いましたけど、たまたま打ち直せたのでよかった」と正真正銘のアーチ。逆転勝利への道筋をつくった。 この日の2安打でも打率は2割2分9厘。「ホームランは狙って打てるものじゃない。ヒットが出ぇへん方がムシャクシャする…」と、素直な思いが関西弁に表れた。パ・リーグの野球に興味を持ち、広島からFAで加入した新戦力。練習ではドジャース・大谷と同仕様のクリケットバットも用い、本領発揮のために全力を注いできた。 「動から動、もっと打席で動いてもいいんじゃないか?」。ある時、そっと声をかけてくれたのが福良GM。一打席一打席、微妙な変化を見てきた一人だ。投手の球を見ようとするあまり、やや受け身になっていたことへの助言。中嶋監督も「当然、結果が残ってくる選手だと思っています」と上昇を期待した。 チームの連敗は2でストップ。2日ぶりに貯金生活を取り戻した。「だいぶ迷惑をかけているので、何とか取り返せるようにしたい」。敦賀気比の先輩・吉田(Rソックス)から受け継いだ背番号7。天才の恩返しが始まった。(長田 亨)
報知新聞社